今オフの巨人といえば“爆買い補強”が話題だが、スカウト体制に振り下ろされた“大ナタ”も球団内外に大きな反響を呼んでいる。

 球団と報道陣の親睦を深める恒例の新春記者懇親会が11日、都内で開かれ、新任の岡崎郁スカウト部長(55)のもとには挨拶の長い列ができた。同部長は2015年まで10年間、ヘッドコーチや2軍監督など現場で指導者を務め、昨年は編成本部アドバイザーとしてFA補強などに関与。1日付で畑違いの部門のトップに抜擢された。

 とかく人脈や経験など長年の蓄積がモノを言うスカウトの世界だが、今回の人事では大幅な組織変更を断行。スカウト歴40年で定年を延長してきた山下部長が退任し、編成本部顧問に。長谷川課長は選手の働きを評価する査定室長へ、藤本課長はFAやトレードに備え他球団選手を調査するチーフプロスカウトへ、それぞれ配置転換。アマスカウト担当のトップ3が“一掃”された格好だ。

 堤GMは「チェック体制を変える。ピラミッド型にした。今までを否定するんじゃないが、二重三重の段階を経て見る」と説明。新しい血として岡崎部長の他にも現場組を送り込む。新設されたチーフスカウトに井上前2軍打撃コーチ。同じく新設の東日本統括には、福王前2軍内野守備走塁コーチが配置された。

 従来のドラフトでは指名選手を巡り、スカウト幹部との調整が必要だったが、ピラミッドの頂点に立つGMに意思決定権が集中。“堤ドラフト”が本格化する。その試金石となるのが今秋ドラフトの目玉、早実・清宮幸太郎内野手(2年)だ。

 岡崎部長も初仕事で早速、8日に“清宮詣で”で早実を表敬訪問。この日も挨拶を交わした早実OBの報道陣に、「いろいろ教えてください」と謙虚に頭を下げた。

 10年に1人の逸材がドラフトにかかる勝負の年に、あえて熟練のスカウト陣を切って臨む巨人新体制の成否やいかに。 (笹森倫)