北陸新幹線開業2年目となる昨年も多くの観光客が北陸地方を訪れ、3県の経済に大きな影響をもたらした。今年の経済見通しや、2022年度末の新幹線敦賀延伸と昨年末決定した敦賀以西の小浜・京都ルートで福井県のまちづくりをどうするべきかなどについて、北陸経済連合会の久和進会長(北陸電力会長)にインタビューした。

 ―今年の経済をどう見る。

 「昨年は順調に推移した。日銀金沢支店の12月金融経済月報は21カ月連続で回復を示し、全国平均より良かった。今年もその基調が続くのでは。ただ、(20日に就任する)トランプ米大統領の影響がどう出るか。環太平洋連携協定(TPP)からの撤退を明言しているが、北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しもすぐにできる話ではない。新政権がどこまでやろうとしているのか見えない。注目している」

 ―円安はどうなる。

 「米国が利上げした。今年も少しずつ上がるだろうが、どうなるか。そういう意味ではドル高円安基調で推移するのではないか。北陸の優良企業は輸出が多く、円安はいい方向に向いている」

 ―今年の北陸経済は。

 「ジェネリック医薬品は国の政策でまだまだ伸びる余地がある。地方にいても付加価値の高い製品やサービスを提供することが大事ということ。若い人を引きつける職場をもっと増やさないといけない。福井は有効求人倍率が全国トップクラスで、景気が良いと見ることもできるが、逆に言えば人手不足ということ。U・I・Jターンで、福井に住んで働く人を増やさないと人手不足は解消しない」

 ―北陸ブームは続くか。

 「関東圏の人口を考えれば、まだまだ続く可能性はある。リピーターも来るだろう。金沢では新しいホテルの建設も進んでいる」

 ―インバウンド(訪日外国人客)も影響しているか。

 「外国人はまだまだ増えるだろう。北陸のおいしい食、魅力をもっと磨かなければならない。福井県にも観光資源がたくさんあるので、期待が持てる」

 ―福井県のまちづくりへの提言を。

 「宿泊施設が少なすぎる。インバウンドなどの交流人口増を考えると、早く整備しないといけない。若狭は今、北陸新幹線の小浜・京都ルート決定で歓迎ムードだが、大阪開業を待つことなく、敦賀開業段階で若狭全体の観光を考えた方がいい。新幹線と舞鶴若狭自動車道を連携させて観光客誘致を図るべきだ。福井は幸福度全国1位で暮らしやすい土地。自分たちの良さや優位性を再認識し全国に発信することが大事。地域に誇りを持ってほしい」

 ―北陸新幹線敦賀以西ルート問題で3県の足並みがそろわなかった中、「小浜・京都」支持を表明したのは効果大だった。感想を。

 「昨年11月11日に国土交通省の3ルート案調査結果が出て、同17日に政府・与党への要請が迫っていたので、北経連として方向性を示さなければと考え同15日に意見表明した。結果的に米原を支持していた石川県会の協力も得られ、小浜・京都で落ち着いたのは良かったと思う」

 ―国への働きかけは。

 「財源確保が第一。北陸新幹線は金沢開業で経済効果が大きいことが示され、国会議員、政府関係者も早くやるべきとの認識で一致している。詳細なルート調査や駅の位置確定にできるだけ早くかかってもらえるよう要請する」

 ―関西経済連合会との連携は。

 「敦賀以西となると関西の地元負担や並行在来線などの課題がある。今後は関西が主体的に着工条件を満たすよう考えていただかないといけない。今後も連携していく」

 ―早期の全線開業を求めているが。

 「詳細ルートの検討や環境影響評価(アセスメント)に4、5年はかかる。それが終わった段階で用地交渉に入ることはできる。とにかく早くやることだ」

 ―中京圏とのアクセスは。

 「敦賀開業後も名古屋方面への『しらさぎ』接続の利便性確保は重要。JRには当然してもらえると思っている。米原需要がどうなるかだが、在来線のスピードアップが必要だ。心理的に名古屋が遠のくのはいけない」