全球速球で勝負も、イチローに難なく左前に打球を運ばれる

 23日(日本時間24日)に本拠地でのブレーブス戦に途中出場したマーリンズのイチロー選手が、バットで若手選手にプロの厳しさを教えた。

 7回表から右翼の守備に就いたイチローが打席に立ったのは、2-2の同点で迎えた8回だった。先頭打者のイチローは、マウンドに立つブレーブス2番手クロールと対戦。フルカウントの末、6球目の93マイル(約150キロ)速球を捉え、レフト前に運んだ。最近バットが湿っていた背番号51にとって、9試合20打席ぶりの安打だったが、この一打に打ちひしがれたのがクロールだった。

 7回を3者凡退とした25歳若手左腕は、イチローに対しても自信を持って速球で攻めた。初球からすべて速球。フルカウントとした後も速球で勝負に出たが、メジャー16年目のベテラン打者に一日の長あり。バットの芯で捉えられた打球を見送ると、マウンド上のクロールは呆然とした表情を浮かべた。

 敵地で試合を中継した「FOXスポーツ・サウス」の解説を務める元外野手のジョー・シンプソン氏は、この若手左腕の落胆ぶりを見ると「イアン・クロールはマウンドから歩きながら、驚きのあまりに絶句しております」とコメント。さらに「この男にこんな気持ちにさせられたのは、彼が初めてでありません」と、イチローに安打を打たれ、プロの厳しさを教えられたクロールに同情した。

 結局、このヒットでマウンドを降りることになったクロール。9回表に味方が勝ち越しに成功し、チームは3-2で勝利したものの、“史上最高の打者”の呼び声高いイチローに教えられたプロの厳しさと悔しさは、記憶に刻み込まれたままになるだろう。