今季最終登板で8回1失点、“大人の投球”で「来年につながる」

 楽天は1日、オリックスに8-1と快勝。先発した安楽が8回を投げ、5安打1失点で3勝目を挙げた。今季最終登板に安楽は「来年につながる投球ができた」と話しつつ、「課題もたくさんあった」と反省も忘れなかった。

 安楽は初回、1番・糸井にストレートの四球を与え、2回には西野にソロ本塁打を浴びた。3回には2死から連打で走者を三塁に背負ったが、4回以降は3者凡退に抑えた。しかし、8回に2死からファーストゴロを打たれ、ベースカバーが遅れてセーフに。「あれがなければ完投させようかなというところだった」と梨田監督。安楽自身も「最後のベースカバーなど、ピッチング以外の課題が見つかった。そういう細かい部分もやっていかないといけないなと改めて思いました」と振り返った。

 それでも、“大人の投球”で3勝目を挙げた。「ブルペンからまっすぐが走らなかった」と調子自体は良くなかったが、だからこそ、変化球の組み立てやコントロールミスに細心の注意を払った。プレーボール直後にストレートの四球を与えるなど、ストライクが入らなくても慌てずに投げた20歳に梨田監督は「ボールが続いてもバタバタしなくなったのが成長。カーブやスライダーなど変化球で相手バッターのタイミングをずらせるようになった」と目を細めた。

 考え方の変化もあった。「6、7回の失点が多くてなくしたかった」と、この日はグラウンド整備で時間が空く5回と6回の間のキャッチボールの時間を長めに取った。

「試合の間がないようにという考え。休める部分をなくして、ずっと試合が続いている、休憩はないんだと。ビジターだと攻撃が先なのでキャッチボールする時間が沢山ある。それを考えて今日は早めにキャッチボールを始めました」

中継ぎ経験で成長、梨田監督「遠回りではなく、逆に良かったのかも」

 気持ちも集中力も持続させ、4回から7回までの4イニングで走者は出さなかった。今季、中継ぎを経験した時期にも触れ、「中継ぎの大変さがわかったからこそ、1イニングでも1人でも多く投げたいと思うようになった。途中で(マウンドを)渡すのではなく、イニングの頭から投げてもらえるようにという気持ちになったのでそこはプラス」と安楽。指揮官も「遠回りではなく、逆に良かったのかも」と捉えた。

 中5日だったことや8回までに114球を費やしたことで1試合を投げ切ることはできず、9イニングを投げ切るのは来シーズンに持ち越しとなった。

「最後まで? いや、全然、そういう気持ちは特になかったです。もっともっと完璧なピッチング、もっともっといいピッチングができるようにしたい。(8回の)あの場面でベースカバーをしっかりして3人で終わっていれば、そういうチャンスもあったでしょうし、自業自得というか、そういう部分があったかなと思う」

 梨田監督は「まだまだミスがある」とバント処理やベースカバーを課題に挙げながらも、「則本に次ぐピッチャーが出てきたかなと、来季に楽しみなところがある。(完投は)来年の楽しみにということでお預けさせました。完投、完封は来季の目標」と期待の高さを伺わせた。

 2年目の今季は15試合に登板し、3勝5敗。「僕が5敗しているということはチームもそれくらい負けているということ。来年は負け星がつかないピッチングをしたいなと思います。甘いものではないと思いますが、もっと日々精進して完投、完封できるピッチャーになりたいと思います」。チームを背負って立つ投手へーー。背番号20は来シーズンへの希望をつないで2年目を締めくくった。

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi