シーズン通して先発ローテ牽引、本人は最後の2登板回避を悔やむ

 ヤンキースは2日(日本時間3日)、本拠地でオリオールズに2-5で敗れ、84勝78敗で今季の全日程を終えた。最近4年で3度目のプレーオフ逸に終わったが、トレード期限に主力を大量放出しながら、終盤戦までワイルドカード争いに絡んだ。後半戦で中心となったのは、53試合で20本塁打とルーキーながら驚異的な活躍を見せたゲーリー・サンチェス捕手、そして、シーズンを通して安定感を見せた田中将大投手。エース右腕は惜しくも最優秀防御率のタイトルに届かなかったが、辛辣なニューヨーク地元紙はメジャー3年目で「進歩」したと伝えている。

 田中は31試合に先発し、リーグ3位の防御率3.07でフィニッシュ。この日、レッドソックス戦で7回1失点と好投したブルージェイズのサンチェスが3.00で最優秀防御率のタイトルに輝き、ブレーブス戦で7回1失点と好投したタイガースのバーランダーが3.04で2位に浮上してシーズンを終えた。

 惜しくも初タイトルは逃したが、14勝(4敗)、199回2/3、165奪三振はいずれもメジャー自己最高の成績。地元紙「デイリー・ニュース」は「今季、マサヒロ・タナカはヤンキースとともに進歩した」とのタイトルで特集記事を掲載。最終的にサンチェスがタイトルを獲得したことを伝えつつ「日本人エースはア・リーグ最優秀防御率に関し、何もすることが出来なかった」と報じている。

 無念だったのは、タイトルを狙える位置につけながら、予定されていたシーズン最後の2度の登板を回避する結果に終わったこと。田中は9月21日(同22日)の敵地レイズ戦で先発した後に右前腕の張りを訴え、26日(同27日)のブルージェイズ戦は先発できず。今月1日(同2日)のオリオールズ戦には登板できる状態だったが、プレーオフ進出が消滅したこともあり、ヤンキースは見送りを決めた。ジョー・ジラルディ監督は「投げさせても意味はない」と説明していた。

200イニングは1アウト届かず、それでも「とても大きなこと」

 記事によると、シーズンを通してフル回転してきた田中は、最後に2度の登板を回避する結果になったことを悔やんだという。通訳を介して「僕は最後の2登板でマウンドに上がって、ベストを尽くし、タイトルを獲得できたんじゃないかと思うんです」と話している。

「デイリー・ニュース」も「マサヒロ・タナカは最後の2登板を逃したため、200イニング到達まであと1アウトを残す結果となった」と指摘。田中がシーズン前から目標に掲げてきた大台の200イニングにもわずか1/3イニング届かなかった。

 ただ、本人は記事の中で「無理もないことだと思います。プレーオフ進出のチャンスがないなら、そういう可能性もあるなって」と最終登板が消滅したことにも改めて理解を示し、「2登板を逃したのは本当に悔しかったです。でも、そこまで問題なく投げることが出来ていました。プラスに考えています。以前は出来なかったことですから」 と振り返っている。

 1年目は開幕から驚異的な活躍を見せながら右肘靭帯部分断裂で長期離脱し、昨年もマウンド上では安定感を見せながら前腕部の負傷などで規定投球回には届かなかった。しかし、今季は先発ローテをしっかり守り、「ここまで、故障もなく投げれた。僕にとってはとても大きなことなんです」と地元メディアの取材に心境を明かしている。

 来季こそは、ヤンキースの投手として1980年のルディ・メイ(防御率2.46)以来となる37年ぶりの最優秀防御率、そして、日本人初の最多勝やサイ・ヤング賞に期待がかかるシーズンとなる。