終盤での離脱を反省「もう少し勝てたという悔しさはある」

 ソフトバンクの和田毅が、15勝5敗、勝率.750でパ・リーグの最多勝利投手賞と勝率1位投手賞の2冠に輝いた。

「優勝はできませんでしたが、チームが優勝するために一生懸命投げた結果。光栄に思います。最初はいいピッチングができずに、打線の援護のおかげという試合が多々ありました。6、7月から自分らしいピッチングが少しずつ増えてきましたが、その中で9月の大事な時に、自分の体力のなさで(試合で)投げることができず、登録も外れることになって本当に申し訳なく思っています」

 最後まで最多勝利を争った千葉ロッテの石川歩は、自ら登板を辞退して登録抹消。勝率.800の千賀滉大は13勝以上という勝率1位投手賞の受賞条件をクリアできなかった。

「石川投手が途中で投げなくなったし、勝率(のタイトル)もずっと千賀が取ると思っていましたから、ラッキーな面があったと思います。それよりも、最後に自分が投げられなかったことが悔しいですし、その中でこういうタイトルをいただいて、複雑な気持ちはあります。チームあっての自分ですし、防御率も良くないので、打線の援護がなければここまでの数字を挙げることはできなかったと思います」

 最多勝利のタイトル獲得は17勝を挙げた2010年以来となるが、和田は今シーズンの最後に左肘の違和感で離脱したことに悔しさをにじませた。

「2010年は最後の最後まで投げきることができたので17勝できたと思います。15勝は目標としていた数字ではありますが、自分が万全であればもう少し勝てたんじゃないかなという悔しさはあります」

「転がり込んだ」勝率1位に「千賀、しっかりしろ」

 また、自身初となる勝率1位のタイトルについては、後輩の千賀をいじって報道陣の笑いを取った。

「勝率については、ボクが取れるという認識がまったくなかったので、自分のところに転がってきたというイメージが強いです。自分の中では『千賀、しっかりしろ』という感じですね(笑)」

 痛めた左肘は万全ではなく、CSファーストステージでの登板回避は決定的。それでも和田はCSに向けて「少しでも力に」と意気込みを見せた。

「まずは自分の肘を良くして戦力になることが一番。その中で自分にできることは何かしらあると思う。少しでもチームの力になれたらと思います」

 日本球界復帰1年目での投手2冠は見事という他はないが、工藤公康監督は「彼のすべてに学ぶところがあった」と語る。今シーズン、和田がチームに与えた影響は、2つのタイトル以上に大きかったようだ。

藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura