CSファーストステージ先勝の工藤監督、V打の今宮に「よく打った」

 8日、ヤフオクドームで行われた「日本通運 クライマックス パ」ファーストステージの第1戦は、ソフトバンクが4-3でロッテに競り勝った。

 ソフトバンクは、先発の千賀滉大が初回の2被弾で2点を失うも、その裏に内川聖一の適時打で1点差とし、3回には再び内川がレフトのホームランテラスに同点弾。千賀は2回以降立ち直り7回2失点。スアレスが8回を抑えると、その裏に1死満塁から今宮健太が勝ち越しの2点適時打を放った。9回、サファテがデスパイネにこの日2本目の一発を浴びるも、後続を抑えて1点差で逃げ切った。

 試合後の工藤公康監督は、勝利を喜ぶ前に「やっぱり外国人の一発は大きいと、改めて認識してくれたと思う。明日からしっかりやってくれるだろう」とひと言。その後に、ようやく8回の決勝打について語り始めた。

「一番ホッとしているのは(今宮の前に、無死満塁で初球を打ち上げ捕邪飛に終わった)福田くんだろう。今宮くんはプレッシャーもあっただろうし、打席の中で考えることもいろいろあったと思うが、よく打ってくれた」

 復帰の柳田悠岐にはヒットこそ出なかったが、今宮も右肘に“ねずみ”を抱え、ギリギリCS開幕に間に合った状態だ。

初回に2被弾の千賀について「逆に開き直りになった」

「これ(この日のスタメン)が今のベストの形。その中でしっかり戦って結果が出て良かったと思う。柳田くんも完治はしていないし、まだ試合勘もない中で最後は凡打(ショートライナー)とはいえ、いい感じで打てていた。今宮くんを抹消しなかったのは、守備の要だから。彼の守備でどれだけのヒットがアウトになったか。(肘の状態は)完璧ではないと思うが、今日は彼のCSにかける思いが出たんじゃないかな」

 工藤監督の話は、次にキャプテンの活躍へと移っていった。

「最初にすぐ1点返したのが大きかったし、3回のホームランで『さあ追い越すぞ』と、みんなの集中力が増した。本当に価値ある同点打とホームランだったと思う」

 初回にソロ2被弾で2点を失った千賀については次のように語った。

「逆にあの2本が開き直りになって良かったかな。2回以降は細川くんがフォークボールをうまく使ってリードしてくれたし、それに千賀くんもよく応えて抑えてくれたことで、少しずつウチのペースになったと思う」

短期決戦の采配も光る

 また、短期決戦ならではの采配も光った。8回、ロッテの2番手・内に対して先頭の内川がヒットで出塁すると、5番の長谷川には送りバントのサイン。これを内が必要以上に警戒し、最後はユニフォームをかすめる死球。「長谷川くんには、ランナーが出たらバントを頼むと言っていた。ボール球に手を出さずによくやってくれた」と工藤監督。

 続く松田には「バントは2年くらいやってないということだったので、右打ちのサインを出した。普段なら思い切っていけとなる場面だけどね」と指揮官。ここでも松田は冷静に見極めて四球を選び、満塁となる。さらに1死後には二塁走者の長谷川に代走・川島慶三を送り、その川島は今宮のヒットで激走を見せて貴重な得点をチームにもたらした。

「ロッテのリリーフはみんないいピッチャーなので、(マウンドに上がって)自分を取り戻すまでの時間がチャンス。その意味でも先頭の内川くんのヒットが大きかった。(川島の好走塁については)飯田コーチも『川島じゃなければ(三塁で)止めていた』と言っていた。川島くんの走塁力とスライディングのうまさで取れた2点目だった」

 そして指揮官の言葉は、最後もキャプテンへの賛辞で締められた。

「勝ちたい、勝たなきゃという思いの中で実際に勝つのは難しいことだが、その思いをキャプテンが形として出してくれたことは、明日に向けても大きいと思う」

 3戦中2戦先勝で突破という超短期決戦。一気に勝負を決め、先発のコマを1つ残して札幌へと向かいたい。

藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura