広島1位指名の岡田は中継ぎ経験も、4勝を挙げて優勝に貢献

 10月20日に今年のNPBドラフト会議が行われる。6日にプロ志望届の提出が締め切られ、216人の名前がリストに載ったが、昨年の今頃、話題になっていた選手は一体誰だったのか。そして今年の成績、活躍はどうだっただろうか。各球団ドラフト1位の選手の今季を振り返ってみたい。

【セ・リーグ】

○広島・岡田明丈投手(大商大) 
18試合4勝3敗 防御率3.02

 昨年のドラフトでは、豊富な即戦力投手候補の中から、カープが単独で指名した。関西六大学リーグで1年生からリーグ戦に登板し、4年時には春6勝、秋6勝で無傷の12連勝をマーク。2季連続優勝に大きく貢献し、最速153キロ右腕として各球団のリストに挙がっていた。背番号はかつて大竹寛(現巨人)がつけていた17を背負い、4月1日の巨人戦(マツダ)でプロ初登板。6回2/3を投げて3失点で勝敗はつかなかった。初勝利は6月25日の阪神戦(マツダ)で6回2失点。途中で中継ぎも経験したが、ルーキーイヤーは4勝を挙げて優勝に貢献。状態も良く、クライマックス・シリーズのファイナルでは先発の一角を務めることが濃厚だ。来季以降もローテ入りに期待が持てる。

○巨人・桜井俊貴投手(立命館大)
1試合0勝1敗 防御率8.31

 先発投手陣が手薄だったため、即戦力右腕をドラフト1位候補にリストアップした。3年時にU21日本代表に選ばれ、4年時の秋に関西学生野球リーグで7勝0敗、明治神宮大会では大会記録に並ぶ18奪三振の快投を見せた右腕を巨人は単独でドラフト1位指名。新人の出世番号とされる背番号21を与えた。しかし、キャンプ、オープン戦とオーバーワークから右肘を故障。3月30日のDeNA戦でプロ初登板したのち、2軍落ちした。現在は癒え、フェニックスリーグに帯同。来季の戦力として期待される。

DeNA今永はローテのカギとして8勝、CS進出の原動力に

○DeNA・今永昇太(駒沢大)
22試合8勝9敗 防御率2.93

 大学2年の春に東都大学リーグで6勝を挙げ、知名度を上げた左腕。大学4年までに18勝。完投能力もあり、三振も取れる即戦力の148キロ左腕としてドラフトで注目を集めた。不安視されていたのが痛めた左肩の状態で、4年春は登板がなく、秋は0勝だった。患部の状態を危惧し、手を引く球団もあったが、DeNAが一本釣り。順調に段階を踏んで、開幕ローテ入りを果たした。好投してもなかなか白星に結びつかない試合が続いたが、5月6日の広島戦(マツダ)でプロ初勝利。その後、5連勝もマークした。一度、コンディション不良で抹消になるも、7月末に復帰。2年目の左腕・石田とともに球団初のCS進出の原動力となった。 

○阪神・高山俊外野手(明治大) 
134試合 打率.275 8本塁打 65打点

 高校は西東京の名門・日大三。3年夏には甲子園制覇を果たした。明治大では1年からレギュラーでリーグ通算安打記録を塗り替える131安打をマーク。ドラフトでは外野手を狙っていたヤクルトとの競合になったが、阪神が見事に引き当て、昨年までマートンがつけていた背番号「9」を継承。超変革を掲げるチームの筆頭として、開幕戦(中日・京セラドーム)で「1番・左翼」で出場し、早速第1打席でプロ初安打を記録した。新人とは思えぬ働きでオールスターにも出場。8月30日には坪井智哉氏の持っていた球団新人シーズン最多安 打記録を塗り替える136本目の安打を放った。

○ヤクルト・原樹理投手(東洋大)
13試合 2勝8敗 防御率5.91 

 阪神と高山の争奪戦に敗れたヤクルトが、即戦力右腕にシフトチェンジ。主に東都二部で投げてきた148キロ右腕を指名した。シュートが武器の攻撃的な投球が売りでローテ入りを期待され、石井一久氏らがつけていた背番号16を与えられた。3月27日の巨人戦(東京ドーム)でプロ初登板を果たし、6回1失点の好投。序盤は期待を抱かせる投球も、5月15日の巨人戦(東京ドーム)から6連敗。右肩の肉離れで離脱し、9月にファームで復帰したが、思うような投球ができていない。ただ、持っている素材は確かなだけに、ヤクルトとしては背番号18の杉浦らと次世代のチームを背負う存在になってもらいたいところだ。

SB高橋純平は2軍で2勝1敗、防御率2.22、フレッシュオールスターに出場

○中日 小笠原慎之介投手(東海大相模)
15試合2勝6敗 防御率3.36

 昨年夏の甲子園優勝投手で151キロを計測した高校ナンバーワン左腕。高橋純平の抽選に敗れた中日が外れ1位で指名。こちらも日本ハムと競合になったが、引き当てた。高卒新人ながらチーム事情もあって5月31日のソフトバンク戦で1軍昇格。好投しても白星に恵まれず、初勝利は9月4日の巨人戦(東京ドーム)となり、シーズン2勝をマークした。現在はナゴヤ球場で秋季練習中。森繁和新監督から指導を受けるなど、さらなる飛躍が期待される。

【パ・リーグ】

○日本ハム 上原健太投手(明大) 
1試合0勝0敗 防御率0.00

 190センチの長身から150キロを超える直球を投げ下ろす剛腕として東京六大学の注目を集めた。大学3年の秋は3勝1敗、防御率0.96で最優秀防御率に輝き、スケールの大きさを感じさせると同時に、評価を上げた。今季はイースタンで18試合に登板し1勝4敗。防御率は5.63とプロの壁を感じた。今季最終戦のロッテ戦でプロ初登板を果たし、1回無失点で147キロを計測。フェニックスリーグで磨き、来季の足掛かりとしたい。

○ソフトバンク 高橋純平投手(県岐阜商) 
今季1軍登板はなし

 高校球界ナンバー1右腕として注目。センバツ出場はしたが、その後、怪我に泣き、夏の甲子園出場はなかった。中日、日本ハムと3球団競合の末、ソフトバンクが獲得に成功。5月28日のタマホームスタジアム筑後で行われたウエスタン・リーグの広島戦で実戦デビューした。最速148キロを計測し、2回2失点。6月7日の本拠地ヤフオクドームの中日戦で初勝利。フレッシュオールスターにも出場した。今年はファームで7試合2勝1敗。28回1/3を投げ、防御率は2.22だった。来季の1軍デビューの期待が高まる

○ロッテ 平沢大河内野手(仙台育英)
23試合 打率.149 0本塁打 3打点

 仙台育英高出身で3年夏の甲子園で3本塁打を放つなど高校通算22本塁打。攻・走・守の3拍子そろった選手。地元・楽天の単独指名が有力視されていたが、10年に1人の高卒野手と高い評価をしたロッテも参戦。抽選の末に獲得に成功した。5月11日に1軍昇格し、8月17日の楽天戦でプロ初ヒットを放った。イースタンでは81試合に出場し、打率.212。7本塁打を記録するなど、パンチ力も見せつけた。来季は1軍に定着したい。

後半から実力発揮のオリックス吉田、打率.290、10本塁打で来季に期待

○西武 多和田真三郎投手(富士大学)
18試合7勝5敗 防御率4.38

 北東北大学リーグでは2年時以降で存在感を示す投球が続いた最速152キロ右腕。直球の力強さや変化球の質が高く、西武首脳は高く評価。右肩を痛めていたが、即戦力ローテ入りを見込み、早い段階で1位指名を公表、獲得に成功した。富士大からは山川、外崎に続き、3年連続の指名となった。5月14日の日本ハム戦(札幌ドーム)でデビューも1回0/3を投げて4失点。6月19日のヤクルト戦(神宮)で5回5失点でプロ初勝利を挙げた。8月11日の日本ハム戦では9回3安打で初完投初完封。新人で一番最初に完封勝利を挙げた。

○楽天 オコエ瑠偉(関東一)
51試合 打率.185 1本塁打 6打点

 高校2年秋から頭角を現し、その脚力と思い切りの良い打撃で、一躍甲子園のヒーローに。ロッテとの抽選の末、平沢の獲得はならなかったが、将来のセンターラインの軸として獲得。3月25日のソフトバンク戦で代走デビュー。翌26日には初打席。四球を選び、初盗塁を決めた。その姿だけでコボスタ宮城のファンは盛り上がった。一度出場登録を抹消されたが、再登録された後の5月31日阪神戦(コボスタ)でプロ初安打を含む4打数2安打。6月18日のDeNA戦では初アーチも描いた。8月上旬をもって再び1軍を離れたが、来季以降はレギュラー定着を目指す。

○オリックス 吉田正尚外野手(青学大)
63試合 打率.290、10本塁打 34打点

 大学日本代表で4番を務めたスラッガー。フルスイングが魅力で東都リーグでは4年秋に5本塁打。打率.400、15打点とトップの数字。オリックスでも主軸候補として期待されている。ナショナルズの左の強打者ブライス・ハーパーに憧れ、背番号は34。後半戦から力を発揮し、本塁打を量産。消化試合では4番にも入った。来季はクリーンアップも十分に任せられそうだ。