日本S進出の広島、田中は「スイングが最高の状態」「チームは心強い」

 広島は15日のCSファイナルステージ第4戦でDeNAに8-7で勝利し、25年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。原動力となったのは、シリーズMVPに輝いた田中広輔内野手。不動のリードオフマンは12打数10安打5四球4打点、打率.833という圧巻の活躍で4勝1敗でのシリーズ突破に導いた。DeNAは先発の今永昇太投手が初回に6失点を喫し、2回以降の攻撃で1点差に迫るのがやっとだった。

 ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手としてプレーした野球解説者の野口寿浩氏は、広島を牽引した田中について「スイングが最高の状態」と絶賛。一方で、失意の結果に終わった今永については「球審のジャッジがあまりにもひどかった。今永とDeNAがかわいそうでした」と擁護し、ストライク、ボールの判定に苦言を呈した。

 まずは田中の驚異的な活躍について、野口氏は「完全にゾーンに入ってますね。スイングが最高の状態。ちょっとやそっとじゃ悪くならないと思います」と褒め称える。ただ、わずかに不安材料もあるという。

「少しずつ強引さは出始めているかなと。5回に砂田からレフト前に打ったタイムリーは、バットの先に当たっていて、いいコースに飛んだからヒットになっていた。8回に山崎に三振に仕留められた最後の打席も、ちょっと引っ張りに入り始めていた。初回の打席は、今永の最後のボールはストライクに見えましたけど、そこまではしっかり粘っていた。1打席目と最後の打席を比べると、かなり内容に違いがありましたね」

 それでも、大きな心配はいらないと、野口氏は見ている。

CSの結果は大きな自信に、田中の状態は「チームにとって心強い」

「ただ、状態は間違いなくいいので、CS初戦のような気持ちになれば、すぐに良くなるとは思います。一時は打率9割になったわけですから。守備率のような数字ですよね。実際にそういう結果が出ていたということは、本人にとって自信になると思います。日本シリーズはどちらが来ても強いチームなので、1番打者がああいう状態で臨めることは、チームにとって心強い」

 日本ハム、ソフトバンクともに投手力は高いが、リードオフマンの出来がカギを握ることは間違いないだろう。

 また、最後まで田中を封じることが出来ず、敗退が決まったDeNAだが、野口氏は「第4戦は7-2でDeNAが勝っていた試合です」と同情する。

「球審のジャッジがあまりにも酷かった。今永とDeNAがかわいそうでした。初回先頭の田中へのラストボールも、完全にストライクでしたが、ボールと判定されました。ストライクゾーンに入っていた球が、ことごとくボールと判定された。今永は気の毒としかいいようがありません。球審が試合を壊してしまった。あれでは、1イニングに6点を取られますよ。

 相手も同じ条件という意見もあるかもしれませんが、忘れてはいけないのは、岡田はそういう投球スタイルではないということです。ボールの勢いやキレで勝負して、甘いコースでも抑え込んでくタイプ。DeNAはラストゲームでこうなってしまって、本当に気の毒です」

「現場の選手はこういうことは言えない」

 ペナントレースを圧倒的な力で制覇した広島が相手だからこそ、DeNAにとってはより苦しい展開になったという。今季の広島打線は間違いなくリーグNO1の力があるだけに、制球力で勝負する今永にとっては、際どいコースをボールと判定されたことが痛かったと野口氏は指摘する。

「ああなったら、今永は甘いところに投げるしかない。相手は今年あれだけいい野球をしてきた広島なんですから、ああなったら打たれて当然です。初回の新井の先制打も、厳しいところでストライクを取ってくれないから、甘いコースの低めに投げて打たれてしまった。今永と審判の相性とか、そんな簡単な話ではない。球審の技術の問題です。逆に、最後の9回の筒香の打席も、今永の時には取っていなかった外角のストライクを取ったから、高めの釣り球に手を出してしまったように見えました。

 自分が現役の時から、毎年、審判部には技術向上をしてほしいという要請書を選手会から出していました。審判部は本当に考え直さないといけません。こういう結果になってしまうということを分かってもらわないと。現場の選手はこういうことは言えないでしょうから、我々OBが言っていくしかない。DeNAは初回に6点のハンデを取られながら、よくやったと思います」

 DeNAには厳しい結果となってしまったが、セ・リーグのペナントレースを圧倒的な強さで制した広島が、CSも順当に勝ち抜いた。日本シリーズは22日から。32年ぶりの日本一を目指す。