第4の外野手として限定的な起用も、勝利への貢献度はトップクラス

 マーリンズのイチロー外野手は、昨季“4番目の外野手”という限定的な起用法ながら、史上30人目となるメジャー通算3000本安打など数々の金字塔を打ち立てた。さらに、米メディアによる昨季ナ・リーグのポジション別貢献度ランキングでは、右翼手部門で他チームのレギュラー陣を抑えて10位。昨季カブスと8年総額1億8400万ドル(約211億6700万円)の大型契約を結んだジェイソン・ヘイワード外野手と並ぶ価値を持つことが明らかになった。米大手紙「ロサンゼルス・タイムズ」が報じている。

 特集では、ナ・リーグでプレーする各選手が見せた昨季の勝利に対する活躍度を、WARという指標を用いて格付けしている。WARとは、打撃、守備、走塁、投球を総合的に評価して選手の勝利に対する貢献度を表す指標で、そのポジションの代替可能選手と比較し、どれだけ勝利数を上積みしたかを表す。現在のメジャーで、選手を評価する指標として最も重視されているものの1つだ。

 250打席以上に立った選手が選出の対象となっているが、背番号51の働きはナ・リーグの同じポジションの選手と比較してどうだったのか。

 記事によれば、イチローの昨季のWARは1.5。これはワールドシリーズ制覇を達成したカブスが、昨オフに補強の目玉として獲得したヘイワードと同スコアだった。ヘイワードはリーグ屈指の守備の名手として評価を高めており、昨季年俸は約2200万ドル(約25億3100万円)とメジャートップクラスの高給取り。一方、走攻守で高いレベルを維持したイチローは年俸200万ドル(約2億3000万円)で、実にコストパフォーマンスの高い働きだったと言えそうだ。

15年MVPハーパーを0.1下回るだけ、プイグやケンプを凌ぐ数字

 2015年ナ・リーグMVPのブライス・ハーパー外野手(ナショナルズ)は、イチローをわずかに0.1上回る1.6で8位となっており、不惑を過ぎたレジェンドの健在ぶりが浮き彫りになる。さらに、ドジャースのヤシエル・プイグ外野手は1.4で11位、ブレーブスの強打者マット・ケンプ外野手は0.0で16位。昨季のイチローは自身よりも1回り以上若いスターを凌ぐものだった。

 マーリンズの正右翼手のジャンカルロ・スタントン外野手は2.5で3位という評価だった。同一チームの選手が同じポジションで複数選出されたのは、マーリンズの右翼部門と、パドレスの左翼部門(メルビン・アップトンとアレックス・ディッカーソン)のみだった。

 昨年12月に行われたウィンターミーティングで、マーリンズのドン・マッティングリー監督は「彼は本当に、本当によかった。打撃面で素晴らしいシーズンを送った。守備面では、外野に厚みを持たせてくれた。彼は素晴らしい代打であり、左投手を得意としている。右投手以上にね。ブルペンから左投手が出てきた際の選択肢になるんだ。だから左投手が出てきたからといって心配することはない。『サンキュー』と言いたくなるだろうね」と手放しで絶賛していたが、その言葉に偽りなしの働きだったようだ。

 メジャー17年目。4番目の外野手という立場になってもなお、イチローのナ・リーグにおける存在感は大きいと言えそうだ。