ギャラクシー賞月間賞:
「中居正広のプロ野球魂」


2015年12月29日放送
24:40〜26:25
テレビ朝日


 野球好きが集まると「自分が監督なら」談義に花が咲く。この番組は、それを公共の電波を使ってやってしまう地上波ではギリギリのマニアック番組である。司会のSMAP中居正広は番組の最初に「野球に興味がない方は見なくて結構です」と言い放った。オリックス・金子千尋、楽天・則本昂大&松井裕樹、中日・平田良介&ヤクルト・中村悠平の3チームが、ドラフト会議で「俺の侍ジャパン」を指名していく。ただそれだけの内容だが、野球好きには至福の時間だった。

 プロ野球バラエティは他にもたくさんあったが、過去の名選手のプレーやエピソードが中心になりがちで、「今のプロ野球」に特化した番組は少ない。今活躍している選手と、今の野球を見ている人しか相手にしていないような潔さが、この番組にはあった。

 この番組の面白さは、なんと言っても現役のプロ野球選手が誰を評価しているのかがわかることだ。3チームとも投手部門1位指名はダルビッシュ有で、クジを外した2チームの外れ1位は田中将大と大谷翔平だった。このあたりは「なるほど」と納得だが、逆に「そう来るか!」と野球ファンなら思わず唸るネクストブレーク組の名前も次々と挙がった。平田&中村チームが金子を指名したり、則本が自分を指名したりと現実のドラフトではありえない展開も楽しませてくれたし、指名された選手の感想をわざわざ聞きに行くところも痒いところに手が届いた。WBSCプレミア21でリリーフに失敗した則本の自虐ネタ、平田のおとぼけぶりとクジ運の悪さ、知る人ぞ知る金子のファッションモンスターぶりなど、選手のキャラクターも見どころの一つ。2015年の「野球バラエティ」の決定版といっていい。

 最後に、こんなマニアックな番組を見事に仕切る中居の野球に対する愛情、知識の深さは称賛に値する。話題のスポーツにサッと乗っかる「にわかファンタレント」とはモノが違う。SMAPの解散が回避されたことだし、今年の年末もぜひこの夢のドラフト会議を実施してほしい。(宮崎美紀子)

★ギャラクシー賞月間賞とは?=NPO放送批評懇談会が、優れた番組を自主的に選び出す制度。月間賞に選ばれた番組は、年間のギャラクシー賞審査に自動的にエントリーされる。