◇国内女子メジャー第3戦◇日本女子オープンゴルフ選手権競技 最終日(2日)◇烏山城CC 二の丸・三の丸コース(栃木県)◇6506yd(パー71)

日本一の称号に輝いたのは17歳の高校生だった。首位を4打差で追ったアマチュアの畑岡奈紗(ルネサンス高3年)が5バーディ、2ボギー「68」で回り、通算4アンダーで逆転優勝した。アマチュアとして史上初のメジャー制覇の快挙に「ビックリしています。でも本当にうれしい」と目を大きく開きながら、満面の笑みを浮かべた。

最終18番、4mの下りのフックラインを決めると、力いっぱいのガッツポーズを見せた。首位にいた堀琴音に土壇場で並ぶ、会心のバーディに「外すイメージはなかった」とうなずいた。畑岡のホールアウト後に17番で堀がボギーをたたき、勝負が決まった。

3日目終了後に「追いかける方がいい」と言った通り、逆転劇を演じた。スコアを伸ばせず迎えたハーフターンで「ヒルズゴルフトミーアカデミー」で師事する中嶋常幸とハイタッチ。後半9ホールで伸ばした。12番(351yd/パー4)では、130ydから9Iで30cmにつけた。13番で連続バーディとなる9mを決めると、一時は首位に躍り出た。

会場には快挙への期待感が否応なく充満した。畑岡の1打ごとに歓声が飛び交った。「ナイスショット!」「勝て!」「頑張れ!」の大声援。高まる注目は、重圧となって17歳を飲み込みかけた。16番で1mのパーパットをミスして一歩後退した。「アー…」と悲鳴にも似た嘆息が16番グリーンを包んだ。

難関の上がり2ホールで集中力を発揮した。17番では、悪い流れを断ち切るティショットを披露し、フェアウェイにボールを置いた。このホールはパーで切り抜け、迎えた18番(363yd/パー4)で145ydからの2打目を7Iでグリーンに乗せてチャンスを作った。格上のプロを相手に、ジワリと圧力を掛けた。

地元・茨城の宍戸ヒルズカントリークラブで予約担当の社員として働く母・博美さん(46)の影響でクラブを握ったのは7歳のとき。本格的にゴルフの試合に出始めたのは11歳だった。小学校時代は地元の野球チームで活躍し、笠間市立岩間中学校では陸上部に所属。200mでは、県で7位に入る俊足の持ち主だった。

さまざまなスポーツに触れたが「趣味もゴルフ」と言い切り、最後はゴルフを選んだ。「陸上も楽しかったんですが、やっぱりゴルフですよ」と笑う。

「世界で活躍してほしい」との願いを込め、米航空宇宙局(NASA)にちなんで奈紗と名づけられた。今年4月に「スウィンギングスカートLPGA」で米国女子ツアーに初出場すると、ローアマチュアに輝いた。「行きたい気持ちは強くなった」と決意を固めた。10月17日からは米ツアーの2次予選会が控える。

「いつか『全米女子オープン』で優勝したい。あとは『東京五輪』で金メダルを獲りたい!」。笑顔いっぱい、夢いっぱいで目を輝かす17歳の前には、果てしない世界が広がっている。(栃木県那須烏山市/林洋平)