◇国内男子メジャー第3戦◇日本オープンゴルフ選手権競技 3日目(15日)◇狭山ゴルフ・クラブ(埼玉)◇7208yd(パー70)◇ 開幕2日前の火曜日、タイのチンナラト・ファダンシルが「日本オープン」欠場を決断した。理由は「アジアンツアーへ出場するため」。すでに大会へのエントリーも済ませており、ペアリングも発表された後の欠場だった。

当然、大会を主催する日本ゴルフ協会(JGA)は「正式な理由としては認められないので、本当に出ないならばペナルティが科される旨を伝えた」(山中博史専務理事)」という。昨年には、日本オープンのエントリー後に米ツアー出場権を獲得して、大会を欠場した岩田寛が、JGA主催競技に2年間出場停止とされた。今回のペナルティは近日中に決定される見通しだが、同等以上のものになる可能性が濃厚だ。

ファダンシルのマネージャーによると、本人も日本オープン出場を楽しみにしており、ペナルティが科されることも理解していた。しかし、2006年から今年まで11年間守ってきたアジアンツアーのシード維持を優先せざるを得なかったという。今年は現時点で賞金ランキング68位と、シード圏内の60位に入っておらず、先週から急きょアジアンツアーを優先する方針に変えたという。

実は前週の「ホンマ・ツアーワールド・カップ」も、エントリーは済ませていたが直前にキャンセルした。これも日本ゴルフツアー機構(JGTO)の内規により、罰則(基本的には罰金)が科せられる。同週に出場した「BNIインドネシアマスターズ」では26位に入ったが、獲得賞金6712ドルで、まだシードには届かない。日本オープンの出場権は最終予選を勝ち上がってつかんだが、自身の来年の職場を確保するために、泣く泣く欠場せざるを得なかったというわけだ。

同じ週に2試合にエントリーする“ダブルエントリー”は、もちろん推奨されるものではない。それでも、メジャー大会や世界ゴルフ選手権シリーズ(WGC)など、出場資格が不確定な状況で、その裏の試合にエントリーしないといけない場合、JGTOには“条件付きエントリー”という制度がある。日本オープンに関しても、規定に明記されてはいないが、「エントリー時に同様の相談をしてくれれば考慮はする」と山中氏は言う。アジアンツアーに出場するという理由がどの程度受け入れられるかは不明だが、それでもペナルティの軽減などにつながる可能性はあるだろう。

ちなみに、2010年の日本オープン覇者であるキム・キョンテ(韓国)は今年、エントリーしなかった。関係者によると、米下部ツアーのファイナルシリーズに出場していたキムは、PGAツアーカードを取得した場合に備えていた。今大会が米開幕戦と同週開催となることも、エントリーを見送った理由の1つということだ。

ゴルフツアーがグローバル化している昨今、今後もこういった事例が増えていくことは確実だ。ダブルエントリーを推奨する気はさらさらないが、あまりに厳しい罰則は、インターナショナルプレーヤーの出場機会を結果的に減らす恐れもあるだろう。(埼玉県入間市/今岡涼太)

*なお、今週の「ベネチアン・マカオオープン」をファダンシルは4オーバー72位タイで終え、獲得賞金は2,090ドル。賞金ランキングは68位から1つ下げて69位となった。(10月16日追記)