◇国内男子メジャー第3戦◇日本オープンゴルフ選手権競技 最終日(16日)◇狭山ゴルフ・クラブ(埼玉)◇7208yd(パー70) 

4年ぶりに出場した松山英樹が「日本オープン」初優勝を遂げた。1打差の単独首位から出ると5バーディ、4ボギー「69」でプレー。通算5アンダーとし、後続に3打差をつける圧勝だった。国内ツアーでは2014年「ダンロップフェニックストーナメント」以来の通算7勝目となった。初めての国内メジャータイトル獲得を「うれしいです」と喜んだ。

3打リードで迎えた終盤の16番(パー3/200yd)だった。10m近いバーディパットを残した。丁寧に打つと「ラインも良い感じだった。入ると思った」と確信して、左手を突き上げた。ギャラリーたちの「入れ、入れ、入れ」の歓声に押されるかのようにボールはカップに向かった。「入れっ!」。その叫び声とともにカップを鳴らした。松山は、右腕を振り下ろす豪快なガッツポーズを見せた。粘る池田勇太にダメ押しとなる一撃だった。

進藤大典キャディも同時に腕を振り下ろした。米PGAツアー2勝目を挙げた2月の「フェニックスオープン」最終日の18番で、リッキー・ファウラーとのプレーオフに持ち込む5mのバーディパットをねじ込んだ場面をほうふつさせた。

主戦場の米ツアーでも優勝候補の一角として何度も名前が挙げられるが、今大会は大本命として母国のファンの期待を背負った。「世界のマツヤマ」を見ようと集まったギャラリーは4日間合計で4万5257人。「ふがいないプレーは見せられない」と、プレッシャーも感じていた。

だが、この日も「松山選手、がんばってー」「イーグル獲ってー」と、子どもたちの甲高いエールが飛んだ。「自分がそうであった(夢を見た)ように、子どもたちに夢を与える存在でありたい」と力に変えた。練習後は連日、サインを求めて行列を作るファンに対応した。開幕前の練習ラウンドでは、握手やサインをできる限り書いて、次のホールに移動していた。

日本一の称号に輝いたナショナルオープンの舞台を、笑顔で振り返った。「アメリカで普段やっていると(ギャラリーが)誰を応援しているか分からない。きょうは自分のことを応援してくれているのが分かった。ホームでやっているようで楽しかったですね」

タイトルに決して浮かれることも、おごることもない日本の若きエース。「ここを目標にしているわけではない。通過点だと思っている。最後のパットを外しているようじゃ、海外メジャーで勝てない」。18番で1.5mほどのパーパットを外したことを冗談まじりに評した。

次週、マレーシア開催の「CIMBクラシック」で自身の米国ツアーの新シーズンが幕を開ける。「結果は良かったけど、内容的には悪かった。もっと練習します」。日本のファンに夢を与えた4日間を終え、日本勢初の海外メジャー制覇という目標に向けた戦いに再び身を投じる。(埼玉県入間市/林洋平)