◇国内女子◇富士通レディース 最終日(16日)◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6635yd(パー72)

惜敗を重ねてきた22歳が、ついに歓喜の瞬間を迎えた。3位から出た松森彩夏が最終日を5バーディ、1ボギーの「68」でプレーし、逆転で2位に4打差をつける通算12アンダーでツアー初優勝。50センチほどのウィニングパットを沈めて右手でガッツポーズを作り、大きな瞳をうれし涙で濡らした。

昨年4月の「フジサンケイレディス」では、首位で迎えた最終18番で3パットのボギーとし、1打差で初優勝を逃して悔し涙。同年9月の「マンシングウェアレディース」も1打差の2位に終わり、僅差でツアー初タイトルを逃し続けてきた。

「負けたときは気持ちの面で負けていたと思う。今は、技術的に自分を信じられるようになったのが大きいと思います」。この日は17ホール目まで1打を争う緊迫の展開だったが、オフに重ねてきた練習の日々が松森の心の支えになった。

このオフは弱点としてきたショートゲームに多くの時間を割き、今週終了時点のリカバリー率は昨季の74位から35位に上昇。1打リードで迎えた最終18番も、グリーン奥のラフから3打目のアプローチをピンそばにピタリとつけ、最後まで安定した内容でゴールテープを切った。18番も含めた数ホールのアプローチについて「(昨年までは)寄っていなかったと思う」と成長を実感。優勝という栄誉を含め、多くの自信を得た週末となった。

自ら「おじいちゃん子」と認める松森にとっては、祖父・堤亘正(のぶまさ)さん(79)に優勝するプレーを直接見せられたことが何よりもうれしかった。「ゴルフを始めたきっかけは祖父だったし、優勝を見せることが1つの夢でした。本当にうれしいです」。2日目から応援に駆け付けた亘正さんは、この日もロープの外で18ホールを見守っていた。

「いい試合を見せてもらい、優勝できて感無量です」と、4歳からの幼少期に指導してきた孫娘の晴れ舞台に目を細めた。そんな亘正さんが、松森に常に言い続けてきたことがある。「どんなときでも、笑顔を絶やさないように」。熱戦を終えて松森が咲かせた満面の笑顔は、最高の恩返しだった。(千葉市緑区/塚田達也)