テスラモーターズやSpaceXの創設者として知られるイーロン・マスクCEOが旗振り役の超高速移送システム「ハイパーループ」のテストコースがいよいよ2016年にも建設される予定です。そんな中、新たにCERNの大型ハドロン衝突型加速器の真空技術を開発する企業が計画に参入することが発表されるなど、ハイパーループ計画が着実に前進していることが明らかになりました。

So Elon Musk's Hyperloop Is Actually Getting Kinda Serious | WIRED
http://www.wired.com/2015/08/elon-musk-hyperloop-project-is-getting-kinda-serious/

How we'll make Elon Musk's hyperloop a reality: CEO
http://www.cnbc.com/2015/09/16/how-well-make-elon-musks-hyperloop-a-reality-ceo.html

ハイパーループがどのような乗り物なのかは、以下の記事を見ればよく分かります。

時速1000キロ超の高速移動手段「ハイパーループ」の実地試験に考案者のイーロン・マスクがGOサイン - GIGAZINE

マスクCEOはテスラとSpaceXの経営に手一杯なので、ハイパーループ計画をオープンソース化して外部から協力者を募った結果、マスクの意思を継ぐ形でHyper Transportation Technologies(HTT)というベンチャー企業がクラウドファンディングによって設立され、計画実現に向けて具体的に動き出しました。なお、HTTのディルク・アルボーンCEOはSpaceX出身の技術者で、2014年12月の時点でHTTには100人以上の技術者が全米を中心に参加しています。

HTTによる未来予想図。大都市と大都市をつなぐようにハイパーループの筒状「チューブ」が張り巡らされます。

既存の幹線道路に沿うようにチューブは建設され、ロサンゼルスとサンフランシスコ間の約600キロメートルをわずか30分で結ぶ予定。

チューブ内部を1hPa程度まで減圧することで、空気抵抗を減らし超高速移動が可能になります。

2016年にカリフォルニア州で2マイル(約3.2キロメートル)のテストコースが建設される予定。

チューブ内部を走る「カプセル」と呼ばれる車両の中はこんな感じになるようです。

なお、ハイパーループプロジェクトにはHTT以外にもさまざまな企業が参加しており、Hyperloop Technologies(HT)も中心的企業としてプロジェクトを強力に牽引しています。HTのロバート・ロイドCEOは、「ハイパーループ計画は、154兆ドル(約1京8000兆円)にものぼる既存の交通産業を打ち壊すものだと期待している」と述べています。

HTによるハイパーループ開発状況については、以下のムービーで確認できます。

Introduction to Hyperloop Technologies Inc. - YouTube

HT作成のチューブ建設計画の予想図はこんな感じ。

なお、HTが計画するハイパーループのカプセルと駅はこんなデザインになるようです。

旅客用だけでなく貨物の輸送もハイパーループでまかなわれる予定。

HTTは2015年8月20日に、真空技術を開発するOerlikon Leybold Vacuumとインフラデザイン会社のAecomとの提携を発表。HTTは自社のストックオプションを報酬として開発に参加するメンバーを広く募っており、NASAや航空機メーカーボーイングやSpaceXの技術者など総計400人の開発メンバーがそろったことも明らかにしています。

ハイパーループ計画で最も重要な技術の一つであるチューブ内の減圧に取り組むべくHTTと提携したOerlikon Leybold Vacuumのカール・ブロックマイヤー氏は、「これまでにもCERNの大型ハドロン衝突型加速器の開発プロジェクトにも参加してきた経験に比べれば、ハイパーループ計画での減圧システムの開発は技術的にそれほど難しいものではない」と述べています。

マスクCEOのぶち上げた実現不可能にも思えたハイパーループ計画は、2018年の旅客輸送を目指して着実に前進し続けているようです。