「NASAが新しい十二宮を発表した。なんと十三宮である」

そんなニュースがコスモポリタン英国版からYahoo、AOLを通じて世界中に広まり、星座占いワールドにちょっとしたパニックが起こっています。

なんでも人類数千年の歴史を誇る12星座に、NASAがもういっこ星座を足したもんだから、星座の分け目も微妙に変わって、これから占いライターどうするんねん、となっているのだそうな。

いつからNASA、星座占いやるようになったんだ…と訝しく思いつつも、念のためNASAに取材してみたら、案の定、広報のDwayne Brownさんからこんな返事が返ってきました。

「NASAの専門は天文学だ。占星術ではない」

…ですよね。

じゃあ、なぜこんな噂が広まったのか? 気になるのはむしろそっちの方です。

それはある児童用教材の誤読からはじまった

さっそくコスモポリタンやYahooなどが情報元としてリンクをはっているページを覗いてみました。なんだか「X-ファイル」のテーマが鳴り出すような展開ですね。ゾクゾクしながらクリックすると、辿り着いたのがこちら。



陰謀ムードが3秒で消し飛ぶサイト

ものの5秒で「X-ファイル」のテーマが鳴り止んでしまいました。「The Space Place」。子どもに天文学を教えるサイトではないですか! 

キュリオシティ探査機を漫画で紹介するコーナーNASA特製「太陽の黒点クッキー」レシピなどに混じって、「First Things First: Astrology Is Not Astronomy!(最初にこれだけは覚えておこう: 星占いは天文学じゃないよ!)」という記事がある。そこにリンクが貼られていたのであります。


「星占いは科学じゃないよ!」。なんとこの漫画の人が情報元だった!


記事の本文を目の皿のように見開いて探しても、「NASAが十二宮を計算し直した」とかいう記述はひとことも見当たりません。ただ単に、十二宮は今から3000年前にバビロン帝国の人たちが考えたものであり、それを星座に結びつけたのも彼らが最初だっていうおはなしを子ども向けに書いているだけです。

ただ3000年の時を経る中で星座の位置は微妙にシフトしてきている。その原因は地軸のズレによって引き起こされるものであり、古代バビロニア人が見上げる空と今われわれが見上げる空は違う、というおはなし。

「別に星座を変更するとかしたわけではない。計算しただけだ」と広報のBrownさんはメールで力説しています。

「その『The Space Place』の記事は、astrology(占星術)がastronomy(天文学)と似て非なるものだということ、占星術は古代の歴史の遺物だということを伝え、数学と科学は空を見上げることから生まれたものではない、とわかってもらうためのものだ」

なるほど。それがどこでどうなったら、「NASAが十二宮を書き換えようとしている!」という話になるのか…だいぶ飛躍がある気がしますよね。そんなわけで、このニュースが今週みなさまのお手元に届いたときにはパニックする前に、NASAは星座にまったく関心がない、ゼロ、ナッシングだってことで。


image: NASA

Ria Misra - Gizmodo US[原文
(satomi)