mensch(メンチ)=誠実で信頼のおける立派な人

アリス・クーパー、アン・マレー、シルヴェスター・スタローン、マイケル・ダグラス、マイク・マイヤーズ、エアロスミスのスティーブン・タイラーといった、そうそうたるスターたちが絶大なる信頼と愛を持って「天才」だと語る、伝説のマネージャー/プロデューサーのシェップ・ゴードン。

彼のキャリアを振り返るドキュメンタリー映画「スーパーメンチ -時代をプロデュースした男!-」が9月24日(土)より公開されます。



泊まったモーテルのプールで女性が襲われている!と思って止めに駆けつけたら、合意の上の性交渉だったために女性の方に殴られ、翌日にその女性――実はジャニス・ジョプリンだった――に声をかけられて、彼女と一緒にいたジミ・ヘンドリックスから「ユダヤ人なら、マネージャーになったほうがいい」と言われ……

というきっかけからショービジネスの世界へ入った時点でセックス、ドラッグ&ロックンロールを感じますが、シェップ・ゴードンは決してラッキーだけで成り上がった男ではなく、「ヒップさ」こそがすべてだった時代に、イノベーティブなアクションを多数起こしています。

中でも有名な仕掛けが、「子どもは親が嫌うものに魅惑を感じる」、「世間に衝撃を与えるのに必要なのは3つ。暴力、セックス反逆。じゃあ、その3つを合わせたらどうなる?」といった発想から生まれ、当時無名だったアリス・クーパーをスターダムへと浮上させたパフォーマンス。


A&Eより


さすがは「NO HEAD NO BACKSTAGE PASS(アソコをなめなければ、バックステージには入れてやらないといった意味)」のTシャツを着る男(トップ画像)。

ロックフェスティバルへのオファーに高額なギャラを断り、ジョン・レノンとドアーズの間にアリス・クーパーを入れてもらい、ステージにニワトリを投入するという奇策を実行した結果、「ニワトリの生き血を飲む」という新聞記事でアリス・クーパーは大ブレイクを果たします。

なお、アリス・クーパーはシェップが初めてマネージメントを担当したアーティストで、彼らは今でも一緒に仕事をし、家族同様の関係が続いているようです。



「スーパーメンチ〜」ではこの他にも、「中学生の机の中にパンティが入ってたら『男』だ」という理由でレコードにパンティを履かせたりDENNIS DUNAWAYより)、黒人ミュージシャンに対する差別的な不文律に反抗したり、担当していたテディ・ペンダーグラスの自動車事故からの復活をサポートしたり(Live Aid 1985より)、リドリー・スコット監督のデビュー作をプロデュースしてインディーズ映画の先駆けになったり、シェフをセレブ化したり、シャロン・ストーンと付き合ったり、ダライ・ラマと知り合ったりといった、シェップの偉業の数々が確認できます。

そして「男の教科書」スタローンが「守ってくれる男だ」と言っているように、シェップにはマウイ島にある自宅を開放状態にし、親身になってセレブリティたちの悩み相談に乗り、料理でもてなすという一面も。


悩んでいるときにシェップの家へ訪れ、2カ月滞在したマイク・マイヤーズ
P/30: The Oral History Of Hollywoodより)


シェップは一貫して「思いやり」のある行動をする男。だからこそ、関わった多くのセレブリティから今もなお愛され続けています。しかし、彼の人生も上昇や楽しいことだけでは決してありません。

天才シェップ・ゴードンのイカれた成功の数々と孤独、そしてラストにかかる「No More Mr. Nice Guy」の切なさを、ぜひ劇場で堪能してください。


AliceCooperVEVOより


映画「スーパーメンチ -時代をプロデュースした男!-」は2016年9月24日(土)より新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー。

© 2013 NoMoneyFun Films Inc. and A&E Television Networks LLC. All Rights Reserved.


source: 映画『スーパーメンチ -時代をプロデュースした男!-』公式サイト, Dennis Dunaway, YouTube1, 2, 3, 4, Amazon

スタナー松井