見上げた先に広がる、星々が織りなす絶景たち。

グリニッジ王立天文台博物館が主催する、最優秀天文台写真コンテスト「Insight Astronomy Photographer of the Year」の2016年の最優秀賞が発表されました。今年は80カ国以上から4,500ものエントリーがありましたが、その中から選ばれた各カテゴリの優秀作品や入賞作を一挙にご紹介します。


最優秀賞: Baily’s Beads (ベイリー・ビーズ)、Yu Junさん



中国のYu Junさんは、2016年3月9日の皆既日食の最中に起きたベイリー・ビーズとよばれる現象をインドネシアのLuwukで撮影しました。ベイリー・ビーズとは、月に隠された太陽の光が月の表面の凹凸地形によって洩れ、ビーズのように連なって見える現象のこと。Junさんは日食時の画像をスタックすることで、連なるような日光を捉えたこの作品を作ったのです。


オーロラ部門優秀賞: Twilight Aurora(薄明りのオーロラ)、 György Soponyaiさん



皆既日食の日に、ノルウェーのアドヴェンットッペン山上空に見られた美しい北極光


銀河系部門優秀賞: Deep Space Halo(深宇宙のハロー), Nicolas Outtersさん



メシエ94あるいはM94は、地球から1600万光年離れている渦巻き銀河。ピンク色に煌めく内側のリングは「スターバースト・リング」という言葉につながる、激しい星形成活動を示しています。写真家のNicolas Outtersさんは、星や高熱のガス、ダークマターからなるこの銀河のハローだけでなく、背景にある小さな銀河もすべて見えるように撮影することに苦心したとか。


我らが月部門優秀賞: From Maurolycus to Moretus(マウロリクスからモレトゥスまで), Jordi Delpeix Borrellさん



隕石や小惑星の衝撃によって出来上がったクレーターが散らばる、デコボコな月面の景色をすばらしいクローズアップで。


惑星、彗星、小惑星部門優秀賞: Serene Saturn(静かな土星), Damian Peachさん



この見事な写真ではそれぞれの環をくっきり映すことで、かの有名な土星の環を事細かに捉えています。土星の表面には、北極を取り囲む六角形の渦とともに嵐が見えます。


空景部門優秀賞: Binary Haze(連星の薄霧), Ainsley Bennettさん



まるでSF映画のワンシーンのような何とも言えない雰囲気のあるこの写真は、英国ワイト島での霧が立ち込めた朝に撮影されました。霧のおかげで金星と三日月の眩さが強調され、田園に浮かびながら光を放つ球体のように見えます。


恒星&星雲部門優秀賞: The Rainbow Star(虹色の星), Steve Brownさん



シリウスは夜空において最も明るく輝く星で、大抵は白く輝いています。しかし地球の大気の揺らぎによっては、さまざまな色に光ることでも知られています。

そんな豊かな色合いを展示する方法を探し求めていたフォトグラファーのSteve Brownさんは、シリウスを動画で撮影して、そのカメレオンのようなクオリティを見せるフレームを選んでいくという方法にたどり着きました。


若き写真家(15歳以下)部門優秀賞: Lunar Reversal(反転した月), Brendan Devineさん



革新的で、コントラストの強い月のショット。スタック処理によって、デコボコな月面の複雑なディテールが強調され、反転したことで新鮮味のある1枚に。


新人部門優秀賞: Large Magllanic Cloud(大マゼラン雲), Carlos Fairbairnさん



銀河系の伴銀河である、大マゼラン雲。息を飲むほど美しいショットです。


ロボット望遠鏡部門優秀賞: Iridis, Robert Smithさん

 



上のキャッツアイ星雲と下の環状星雲という2つの惑星状星雲のスリットなし分光を比べる合成画像です。


我らが太陽部門入賞作: Sun Flower Corona(ひまわりコロナ), Catalin Beldeaさん&Alson Wongさん



2016年3月9日に起きた皆既日食の際に、太陽のコロナを収めた12枚の画像を合成した作品。インドネシア東部のティドレ島から撮影したとか。


オーロラ部門入賞作: Black and White Aurora(黒と白のオーロラ), Kolbein Svenssonさん



何とも珍しい、モノトーンで捉えたオーロラの光景。鮮やかな色彩を排除したことと北のオーロラの輝きとで、夜空を背景に形作るオーロラの流麗さとくっきりとしたコントラストが際立っています。


銀河系部門入賞作: Towards the Small Magellanic Cloud(小マゼラン雲の方へ),
Ignacio Diaz Bobilloさん


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画像の左手に見える小マゼラン雲は矮小銀河で、青色とピンク色の雲から何億もの恒星を内包していることが伺えます。右上でオレンジ色に煌めいているのは、球状星団のきょしちょう座47。


我らが月部門入賞作: Rise Lunation(朔望月), Katherine Youngさん



米GizmodoのDvorsky記者は、この画像をピンク・フロイドのジャケ写みたいと評していますが、どう思いますか?


惑星、彗星、小惑星部門入賞作: Comet Catalina(カタリナ彗星), Gerald Rhemannさん



カタリナ彗星が夜空に残した、塵の尾。青く輝くコマから、イオンが作る2つ目の尾が放射され、暗闇に消えていきます。


空景部門入賞作: Silent Waves of the Sky: Noctilucent Clouds(空の静かな波:夜光雲), Mikko Silvolaさん



フィンランド上空に形成された夜光雲のクローズアップ。水氷でできた地球の大気上でもっとも高度に発生する雲で、このとき、太陽は地平線より下にあるので、下から照らされているということになります。


恒星&星雲部門入賞作: Perseus Molecular Cloud(ペルセウス分子雲), Pavel Pechさん



ペルセウス分子雲は私たちの惑星から600光年離れており、多数の遠距離天体の巣窟となっています。右上でひときわ青く輝いているのは、ペルセウス座の散光星雲NGC1333です。


若き写真家部門入賞作: What the City Does Not Show You(街中では目に出来ない光景), Jasmin Villalobosさん



アリゾナ州にあるキャニオン湖の丘で、夜空を背景に佇む男性のシルエットを撮影した1枚。画面左側の光害が青白く光る空から、画面右側の星が瞬く空へと、夜空が移ろう様をおさめています。


images & source: Royal Museums Greenwich

George Dvorsky - Gizmodo US[原文
(たもり)