才能があれば言葉なんて!

観客を号泣させる感動ドラマから、ワイヤーアクション満載のアクションまで幅広く才能を発揮している中国の映画監督チャン・イーモウの「英雄(HERO)」。

VFXが多く使われた本作ですが、実は監督とビジュアル・エフェクト・スーパーバイザーは共通言語がなく、言葉での意思疎通ができなかったそうです。

では、どうやってあんなに複雑なアクションとVFXの絡みを実現させたのでしょうか? その秘密は、Academy Originalsのエレン・プーン氏のインタビューをご覧ください。



これはAcademy OriginalsのThe Storyシリーズの動画。

「英雄(HERO)」でビジュアル・エフェクト・スーパーバイザーを勤めたエレン・プーン氏は、中国が誇る映画監督チャン・イーモウと仕事したときのことをこう語っています。

「イーモウ監督は英語が全く話せず、私も中国語は話せません。当初はどうやってコミュニケーションをとればいいのか悩みました」

悩んだプーン氏がとった行動、それはストーリーボードをイーモウ監督に見せ、言葉ではなく絵や行動で伝えることでした。彼が何も言わなければ「これで満足してくれている」と解釈したそうです。

「英雄(HERO)」のハイライトは、女性ふたりのバトルシーン。ストーリーボードに細かく動きが描かれていましたが、アクションに落ち葉の動きが絡み合う非常に複雑なもので、絵コンテだけで簡単に理解できるようなものではありませんでした。

プーン氏はイーモウ監督とのコミュニケーションにおいて、意訳や誤訳を避けるために通訳の介入を望まなかったので、自らがふたりの女性を演じてみせることで、監督にシーンの流れと動きを伝えたと言います。

一人二役で刀を振り回し、トルネードのように舞う落ち葉を表現し、動き回るプーン氏。そんな彼女の渾身の演技を見た監督は「いいね」と満足気だったそうです。

最後にD/C (Director's Cut)が公開している、その美しいバトルシーンをご覧ください。



これをひとりで演じて見せたなんて、すごい根性……! 言葉がなくても「伝えたい」という気持ちがあれば、こんなに素晴らしい作品ができることに感動します。


image: YouTube
source: Youtube1, 2

(中川真知子)