目指せ、VRゲームネイティブ。

「PlayStation VR」、通称PS VRがついに発売されました。PlayStation4(PS4)とテレビ(PCモニターでもOK)、それにこのPS VR一式があれば自宅でVRを楽しめるわけです。

先行して市場に出た他のVR用ヘッドセットOculus RiftやHTC Viveが約10万円なのに比べて、PS VRは約5万円。けっこう現実的に手に入る仮想現実なんです。

でも実のところ、PlayStationで遊んだことがほとんどないうえに、TVゲームは任天堂64を子どものころにちょこっとやったくらい…という非ゲーマーからすると、「PS4もやらないのにPS VRっていきなりハードル高いなぁ」とも思うのです。

でもやってみました、VRゲーム。ちなみにPS VRのアンボックスやPS4やテレビとの接続などセッティング方法については、以下のレポートをご覧ください。


関連記事:
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「×のボタン、どこですか…?」


PS VR本体の電源を入れてかぶると、目の前にはゲームのメニュー画面が現れます。ちなみにメガネをかけたままだったんですが、何ら問題も違和感もなくかぶることができました。

ジョイスティックでゲームのタイトルを選択し、スタート画面に進んでいくと「×ボタンを押してくれ」とか「オプションボタンを長押しすると視点を修正できるよ」とか丁寧に表示されるんですが、非ゲーマーがまずぶち当たる問題はこれです。

「×ボタンが見えない…(PS VRかぶってるから)」

そう、PlayStationのコントローラーには右側に4つ「△○×□」のボタンがあるのですが、かたちがすべて丸いので触ってもわからないんです。


触ってもわからない…


逆に言えば、PS VRをかぶってしまうと一切周囲が見えなくなるということです。PS VRの頬や鼻との接触部はやわらかいゴムでできていて、バンドを締め付けなくとも顔の凹凸にフィットするので、光もまったく漏れ込みません。それだけVRの世界に没頭できるってことですね。

ボタンの配置はあらかじめ覚えましょう。


「ゲーム」を楽しいと感じる


子どものころ友だちの家でみんなでゲームすると、たいてい一番下手くそで見てる人に笑われたり変に緊張したりした思い出があるのが非ゲーマーです。格ゲーやシューティングゲームなんて、自分のテクニックが顕著にわかりすぎるから、ぜったい人前ではやりたくね〜と密かに思っている方も多いでしょうね。

そんな非ゲーマーがVRゲームを体験するためプレイしたのがPS VRの注目タイトルのひとつ「Rez Infinite」です。


思わずゲーム操作するのを忘れてぼーっと見てしまうくらい、グラフィックもサウンドも気持ちがよく、魅力的だった


「Rez Infinite」は開発者、水口哲也さんがその世界に涙したという逸話を持つリズムシューティングゲーム。コントローラーのボタンを押しながら迎撃対象のほうを向く(モーショントラッキング)ことでロックオン、シューティングでき、それに合わせて音が生成されるというもの。

気楽にRezとダイナミックの2種類のモードが用意されています。これはVR初めての人用とある程度VRに慣れている人用のようです。どちらとも最初のステージをプレイしてみましたが、心配していたVR酔いはほぼありませんでした。

「Rez Infinite」自体の魅力はゲーマーのヤマダユウス型さんのレビューを読んでいただくとして、とにかくジョイスティック操作が苦手なので頭の動きで対象をロックオンできるというのは“シューティングゲーム”としての敷居をぐっと下げてくれます。操作もほとんどひとつのボタンだけ。直感的です。

「360°どこを見てもRez Infiniteのサイバーな宇宙空間が広がっている」という体験は新鮮で、イヤホンからくる音の空間も相まって、まさに自分がそこをひとりきりで飛んでいるような気分になります。視界には時間を知らせる時計もなければ、片付いてない部屋もなく、他の人の会話も生活音も聞こえません。作品の世界の外のことはなにも気にしないで、ただ無心にゲームをする。こんな純粋な集中体験は、日常でなかなか得られるものではありません。これまでほとんど思ったことはなかったのですが、「ゲームってなんか楽しいなぁ」と素直に感じました。


頭でコントロールするので忙しいステージになると…こう


「ゲーム」以外のところも楽しい


続けてプレイしたのはカーレーシングゲーム「DRIVECLUB VR」のデモ版(発売は11月17日)。



レーシングゲームのVR版の楽しみはもちろんドライバー目線でのプレイです。もっとも没入感のあるVRゲームとも言えるかもしれません。

そして、車オタクの私としては、出走前のレーシングカー鑑賞タイムに、VRならではの楽しさを感じました。自分の選んだクルマを全方位外から近づいて心ゆくまで見ることができるんです。

ボディに朝陽が反射したり、市街地コースの建物が映り込んだりしているのですが、自分が身体を動かすのに合わせて見え方が変わるのも感動的。またドライバーシートに乗り込んでからも、顔を動かせばインテリアが見回せます。「今からこのクルマに乗って走るんだ…」という臨場感が2Dの比じゃないですね。


なかなか出走せずレーシングカーのフェンダーを見ている非ゲーマー


非ゲーマーほどPS VRをやるべき


なぜなら今がみんなのスタートラインだから、です。

360°使えるVRゲームだからといって、いきなり背後から敵に襲撃されたり振り向きざまのコンビネーション攻撃が必要だったり…なんてことは(少なくとも)「Rez Infinite」ではありませんでした。むしろ、360°使えるのに最初のステージではほとんど真正面のみでプレイできるように敵が出現してくれます。それからステージを進んでいくにつれて180°くらい、つまり視界の端あたりに敵が出現するようになります。2Dのディスプレイばかり見るのに慣れていた人間の視界がゲームによって徐々に広げられていくのを感じました。

また、ゲームで要求される操作はかなりシンプルです。それに「DRIVECLUB VR」でも「Rez Infinite」でも、多少の操作のズレやミスは大目に見てくれているように感じました。もちろんVRでもうまいプレイヤーはうまいのですが、従来の2Dゲームとは多少なりとも勝手が異なるはずです。それに配慮したゲーム作品が多いということでしょうか。

テクニカルなプレイよりも、まずはVRの楽しさ優先。これはわたしたち非ゲーマーにとってはチャンスですよ。あんまり腕に自信がなくてもゲーム作品とその世界観をしっかりと楽しめるんですから。これからPS VR向けのさまざまなVRゲーム作品がリリースされていくうちに、どんどんテクニック重視の作品も出てくるでしょう。それもまたVRならではの楽しさの発見があるかもしれません。

「今までゲームはまったくやってこなかったな〜」というみなさん、「VRゲームネイティブ」として、これからVRゲームのテクニックを極めてみるのもあり、臨場感のあるクルマ鑑賞をするのもあり…ですよ!


「DRIVECLUB VR」で車体を下から覗き込もうとすると「プレイエリア外です」という警告が出て叶いませんでした…


source: PlayStation VR, Rez Infinite, DRIVECLUB VR

(斎藤真琴)