MFミラレム・ピアニッチはフランスリーグで育ち、頭角を現した。まずはFCメスで1年、その後の4年間をリヨンで過ごした。その成長過程は重要だったと言える。フリーキックの名手であるジュニーニョ・ペルナンブカーノにも出会い、影響を受けた。ピアニッチはフランス南東部のこの地において、サッカーだけでなく人間的な面も含めて多くを学んだ。現在プレミアリーグのサウサンプトンで指揮を執るクロード・ピュエルの教えは効果的だったといえる。様々な戦術を模索する中、2009−10シーズンにピアニッチは53試合に出場し11得点と最高のパフォーマンスを見せた。

そして26歳でASローマとの5年契約を勝ち取った。その後、ユヴェントスへとさらにステップアップした背番号5はさらにもう一段、進化をとげようとする最中だ。技術的な面はすでに申し分ない。人間的な面でも同様だ。ユヴェントスという常に勝利が要求されるクラブにおいても、ピアニッチは勝者のメンタリティーにすぐに適応した。

トリノでは戦術面の指導がピアニッチに施された。ディフェンスの前ではあまり活躍できないが、インサイドハーフでは完璧にかみ合い躍動することは彼についての共通理解となっている。ピアニッチはサッカーを心から楽しむことができる選手だ。ユヴェントスへ加入して5試合に出場したが、まだ始まったばかり。マッシミリアーノ・アッレグリやチームメイトとの関係も良好といえる。ただ求められるのは、「成長すること」だ。

ユヴェントスにとっても、細心の注意を払うべきリヨン戦でピアニッチの力は必要となるだろう。フロントも重要視するチャンピオンズリーグでの一戦だ。ボールを「キミ」と呼べるような、音楽を聴きながら優雅なセンスで相手を凌駕できるような選手が必要になることは間違いない。

ウディネーゼ戦は腹痛のため欠場したピアニッチだが、リヨン遠征には通常通り帯同し、そしてアッレグリとともに試合前の会見にも登場した。これもピアニッチが古巣に良い思い出を残していることを証明している。

初戦のセビージャ戦ではベンチ、2節のディナモ・ザグレブ戦では前半のみで交代を余儀なくされたが、アッレグリは万全な状態のピアニッチを手元に置けることになった。献身的なマルキージオの復帰も間近となるが、今こそピアニッチはさらに貢献し、絶対的なトッププレーヤーに追いつかなければならない。ひとまず、懐かしい過去へ飛び込んでみよう。

文=ロメオ・アグレスティ/Romeo Agresti