今のバルセロナに満足しているファンがいるとすれば、その人物はよほどの楽天家と言えるだろう。

リーガ・エスパニョーラ第7節を終了して4勝1分け2敗。ランキングで4位に甘んじ、直近の試合ではセルタに3−4で敗れた。リーグでは過去8シーズン、多くても5敗しかしていないクラブが、すでに2度も苦渋をなめている。

しかも視界は晴れるどころか、曇る一方だ。ジョルディ・アルバが代表戦で負傷し、イバン・ラキティッチ、サムエル・ユムティティ、そしてリオネル・メッシも順調とはいい難いコンディションにある。チームの状態は、どんなに控えめに言っても良くない。

なぜバルサは勢いを失い、ルイス・エンリケ監督が頭を抱える事態になっているのか? 5つの視点から、失速の理由と復調へのカギを探っていこう。

1.守備の脆弱さ

山積する課題の中で真っ先に挙げられるのが、守備の脆弱さだ。

7試合を終えて、失点は「10」。上位4チームの中でどこよりも多い。首位のアトレティコ・マドリーが「2」、2位のレアル・マドリーが「7」、さらに加えるなら順位表のはるか下にいる14位のマラガでさえ「9」である。バルサが安定した守備を見せられていないことは明らかだ。

2.キーマンたちの不調

失点を招いている要因の一つが近年トップレベルでプレーしてきた選手たちのパフォーマンスの低下である。アルバ、ハビエル・マスチェラーノ、セルヒオ・ブスケツらは満足なパフォーマンスを見せられていない。ここ数年に比べてはるかに低いレベルでプレーしている。その背景にはプレシーズンの間に満足な準備ができなかったという致し方ない理由もある。アルバは強化トレーニングに参加せず、マスチェラーノはコパ・アメリカの影響で練習に合流できたのは8月になってからだった。一方で彼らの代わりを務められる人材はチーム内にいない。復調こそがチーム上昇のカギを握ることは間違いない。

3.漂う不協和音

人員整理もルイス・エンリケの重要な仕事の一つだ。長時間ベンチに座ることを強いられた中で、チームにプラスの影響を与えられる選手は少ない。現状ではアレイクシス・ビダルが不協和音になりつつある。セルジ・ロベルトにポジションを奪われ、監督批判とも受け止められるメッセージをSNSに投稿した。後に否定したものの、騒動の発端となること自体がチームにとってはマイナスだろう。エンリケ監督はこれまで「この状況を解決できる監督がいるとしたら、それは私だ」と自信ありげに語ってきたが、事実は異なる。

ビダルは退団が濃厚とされている一方で、クラブには生粋の右サイドバックが誰一人としていない。今冬に解決しなければならない問題になることは間違いない。バレンシアのジョアン・カンセロが獲得候補となっているが、冬に主力選手を放出するリスクをバレンシアが取るのだろうか。

4.狂うコンビネーション

バルセロナらしいコンビネーションが見られなくなっているのも、良くない兆しの一つだ。セルタ戦ではジェラール・ピケ、アンドレス・イニエスタが傑出したプレーを見せたが、チーム全体のミスをカバーするのには至らなかった。そして何よりもメッシなしではアイデアもアイデンティティも消失してしまうことを証明してしまっている。

5.結果が出ないことに伴う悪循環

何より今のバルセロナに必要なことは結果を取り戻すことだ。首位に浮上するチャンスを逃し続けている現況を打破できるのは、チームが失っている貪欲さだろう。バルセロナはハングリーさを取り戻すことはできるのか? 時間の経過とともに明確になってくるだろう。