11日に行われたロシア・ワールドカップ・アジア最終予選、オーストラリア代表と日本代表の大一番で意外なほどの“大差”がついた。スコアの話ではない。オーストラリア代表のボール支配率が実に67%を記録したのだ。日本代表のそれは33%に過ぎなかった。

この理由を説明するのは日本代表のキャプテン、長谷部誠だ。

「今日は相手に(ボールを)回させてからのカウンター。これを徹底していました。本当に危ないという場面は作らせてなかったですし、ボールを持たれても嫌だなって感覚は正直なかったですね。(オーストラリアの攻撃に)連携があまり見られなかったとおり、向こう側のアイディアはさほどなかったです」

同格以上の相手を向こうに回した際の“アウェーチームの定石”とも言える戦い方に徹した日本代表は、たしかにオーストラリア攻撃陣に付け入る隙をほとんど与えなかった。守備時の数少ないミスを挙げれば、原口元気がPKを献上したシーンくらいだろう。長谷部はこう振り返る。

「レフェリー、雰囲気、(敵地という)会場を考えれば、あの場面で笛を吹くだろうとは思いました。ただ、とにかく(失点で気持ちを)切らすのではなくて、リスクを負って前に行くというよりは、自分たちのゲームプランをそのまま崩さずに、しっかりとブロックを作ってからやればチャンスはあるかと考えていました」

そのゲームプランを遂行するうえで、長谷部、そしてチームが試合当初から重視していたのが「とにかく真ん中を通させない」ことだった。自陣中央のエリアに堅固なブロックを作り、相手の攻撃を跳ね返しつづけた。

ボールを回して相手を揺さぶる『対アジア仕様』の日本代表とは明らかに一線を画するスタイルを貫いた格好だが、長谷部は「オーストラリアとホームでやる時も、このサッカーをやるかって言われたら、やらないかと。個人的にはそういう感覚があります」と述べている。

もちろん、「相手によって、場所によってサッカーを変えていくという意味では、まだまだ成長過程」(長谷部)であり、臨機応変に振る舞ううえでの改善点が少なくない日本代表。何より結果が重視される予選の中で、いかなる組織的な進化を遂げるのか。

いずれにせよ、長谷部が今後もキーマンの一人になるのは間違いない。