契約更新か否か――。

2年前の夏にバルセロナへやってきたルイス・エンリケ監督にとって、最重要となるテーマだ。アストゥリアス出身の指揮官は、あらゆるタイトルを幾度となく勝ち取ったチームにさらなる意外性を求めて、何度も戦術変更に着手してきた。

しかし、以前のチームと変わらないのは、今もリオネル・メッシがチームの最重要人物であるということだ。ネイマールとセルヒオ・ブスケツとの契約を2021年まで延長した今、クラブはメッシ、ルイス・スアレス、マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン、そしてイヴァン・ラキティッチとの契約更新に向けて動いている。

変わらないための変更――。今と同じチーム状況をこれからも継続させるべく、現在の主力選手たちとの契約を更新する。新しい選手の獲得ではなく、主力の残留を目指す。言い換えれば、クラブはこれまで成功を勝ち取ってきた現在のレギュラーを残留させることが、今後もすべてのタイトルを狙い続けるための最善策だと考えている。

世界中のビッグクラブが獲得を狙う4人の選手……2人のフォワード、1人のミッドフィルダー、1人のゴールキーパーが契約延長を望むのであれば、拒む理由は何もないのだ。

現時点で契約の残り期間が最も短いのが、現在29歳で2018年までの契約を結んでいるメッシである。満了までまだ2シーズンを残しているとはいえ、バルサはクラブでキャリアを終えて欲しいと望んでいる。おそらく彼がスパイクを脱ぐのは、現行の契約を終えたさらにその先の話になるだろう。クラブの狙いは、契約が満了するずっと前に、引退するまでクラブに所属できるような契約にメッシがサインをすることだ。

スアレス、ラキティッチ、そしてテア・シュテーゲンの3選手は、さらに1年長い2019年までの契約を残している。彼らに関しては契約書の横に置かれた万年筆を手に取り、スムーズにペン先を走らせることだろう。監督をはじめとして、そんな未来に疑問を持つものは少ない。よって、契約延長の交渉を急いではいない。

ただ、前もって少し話をするのであれば、スアレスとの交渉が最も厄介だ。ムンド・デポルティーボ紙が先んじて報じたように、スアレスはつい最近手取りで年俸2000万ユーロ(約23億円)の契約をしたネイマールと同じような処遇を望んでいるという。クラブは、新たにスアレスが32歳となる2019年よりも先を見据えた4年間の契約を結ぼうとしていて、予算の確保に動いている。

ラキティッチとテア・シュテーゲンの年俸はそこまでには及ばないとはいえ、ローテーションの成功に苦労しているルイス・エンリケのチームにとって不可欠なピースであることに変わりはなく、2人の残留はすべてのタイトルを狙い続けるために欠かすことはできない。

このように、バルセロナはジェラール・ピケ、サミュエル・ウンティティだけが長期的にポジションを約束されているディフェンスラインを除いて、すべての選手の残留を確実なものにしようとしている。中盤のセルジ・ロベルトとは2019年までの契約で強く結んでいて、クラブは大きな心配はしていない。

少なくとも、アンドレス・イニエスタが現時点で契約の更新にサインをしない唯一の選手となるだろう。32歳となる現在、まだ2年の契約を残しているイニエスタは、クラブでキャリアを終えることがほぼ確実と見られている。クラブは今後イニエスタとの契約更新も視野に入れながら、あらゆるタイトルを狙い続けるだろう。

文=イグネシ・オリバ/Ignasi Oliva