51分。そのシーンを除き、原口元気はフィールド上で最も輝く選手だった。

先制点のシーンで見せた決定力、何度も左サイドを切り裂いた突破力、体格に勝る相手に一歩も引かなかった勇気とアグレッシブさ……。6日のイラク戦に続き、ピッチ上で持てる力を存分に発揮した。仮にあのシーンが、そのたった1分間がなければ、原口は“世代交代の象徴”として日本代表をけん引する存在と認識されていたかもしれない。

「得点は狙い通りでした。ショートカウンターがはまりました。(本田)圭佑くんが一つタメて、そのタイミングで裏に出てくれという話をしていたので、本当に狙い通りのゴールでした」

しかし、そう語る得点シーン以外に、ハイライトとなる場面に顔を出してしまった。

51分、同点につながるPKを献上してしまった際のことを、原口は「悔やまれるというか、申し訳ない」と振り返る。

「あれはPKだったと思う。僕が止まれなかった。危ないと思って戻ったんですけど……。今日のジャッジは横からぶつかってもファールになることが多かったので気をつけなければいけなかった」

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の言葉を借りれば「勝ち点2を失った」きっかけを作ってしまったことをしきりに反省していた。

もっとも、だからといって残りの89分間で示したパフォーマンスが見落とされるべきではない。「(相手は)ブンデスよりも全然遅かったですし、自分のプレーは出せていたと思う」と語るように、相手守備陣を困らせるシーンを何度も作った。先制点のシーンはもちろん、29分には左サイドをえぐって本田のシュートをお膳立てし、85分には再びサイドを切り裂いて浅野拓磨に決定的なラストパスを供給した。

ドイツで得た経験と自信は、確実にピッチ上で示されていた。

「もう1回ヘルタに帰って、もっとクオリティを上げるしかない。1点を取った後、1戦目も2戦目ももう1回仕事ができるシーンがあった。一つしか仕事ができなかったのがもったいないし、クオリティが足りないと思う」

次なる戦いは11月15日。それまでに残された時間は約1カ月。原口が過ごす日々の充実度は、もはや日本代表の成績に直結してくる。そう言っても、決して言い過ぎではないということは、イラク戦と豪州戦で十分に示されたはずだ。