彼がイングランドのレジェンドあることに疑いの余地はない。

現役のイングランド代表のキャプテン、同代表の最多ゴール記録保持者、9月4日にはフィールドプレイヤーとして最多となる116キャップを記録し、デイヴィッド・ベッカムが持つ記録を抜いて史上最多となった。さらにマンチェスター・ユナイテッドでは最多ゴール記録にあと「3」と迫っている。何より数々のタイトルを“赤い悪魔”にもたらしてきた。

念を押すが、イングランドやユナイテッドに大きく貢献してきたことに疑いの余地はない。

ただし、レジェンドにも衰えはやってくる。例えば過去数シーズンを振り返ってみると、ストライカーとしては満足な働きができない場面が増えた。自ら中盤でプレーする意思を表明していたが、仮にストライカーとしての何の問題もなければポジションを変更する必要はなかったはずだ。

そしてジョゼ・モウリーニョが就任した今シーズンのパフォーマンスのみを取り上げれば、ウェイン・ルーニーはユナイテッドに貢献するどころか、プレーすればするほどピッチで仲間の足を引っ張りチームをドツボにはめている。

■イブラヒモビッチがたまらず尻拭い

ユナイテッドの背番号10番のこの数週間……特にシティ戦、ワトフォード戦でのパフォーマンスは、チームにとって深刻な問題となった。

フィジカルにキレが無く、プレーが重くて遅い。ズラタン・イブラヒモビッチの後ろでトップ下としてプレーを求められているが、機能しているとは言いがたかった。たまらず、ズラタンが自らポジションを下げて組み立てに参加する場面も多く見受けられた。

見かねたモウリーニョはルーニーをワトフォード戦で中盤の一角として起用したが、そこでもうまく機能したとは言えない出来に終始した。

■深刻なスピード、推進力不足

アタッキング・サードでのスピード不足は今に始まったことではないが、今ではこの問題がチームのチャンス数の低下に直結しているように映る。

ユナイテッドには他にも1.5列目やトップ下でプレーできる選手がいる。ポール・ポグバ、フアン・マタ、アンデル・エレーラ、ヘンリク・ムヒタリアンなど、オプションは豊富にあるのだ。代役がいない、という問題に直面することはない。

そういった状況の中で起用されているのだから、大きな疑問を抱かざるをえないのだ。

繰り返しになるが、特にシティ戦でのパフォーマンスはひどかった。効果的なオフ・ザ・ボールの動きがなく、ボールに触ったところで違いを生み出すには至らなかった。他のプレーヤーが入ればチャンスを作れていた、と一概に言うことはできないが、チームを停滞させていたことは明らかだった。

正直なところ、今のレベルではチャンピオンシップ(2部)がお似合いと言われても仕方がない。

ポルトガル人指揮官は3連敗に至った経緯を「レフェリーのジャッジミス」と語っていたが、いらだちの矛先を副審に向けるのは、お門違いなのではないだろうか?

文=Peter Staunton