レアル・マドリーは威信を取り戻した。4試合連続ドローという状況で迎えた敵地ベニト・ビジャマリンのベティス戦。前半だけで4得点を奪取するなど、2週間の間に溜まったロス・ブランコスの鬱憤は、ベティス相手に一気に晴らされた。何が違いを作ったのかという質問には、シンプルな答えを提示するのみである。開始1分から全力を注入して試合に入り、生み出した決定機をモノにしただけだ。

まず、先制ゴールの時間帯がその証明となる。ラファエル・ヴァランのヘディングシュートが決まった瞬間、時計の針は5分を示していた。加えて、マドリーはそこから5回の決定機を創出し、3ゴールを記録した。「アシ・ガナ・エル・マドリー(マドリーはこうやって勝つ)!」というサポーターの高らかな叫び声に、流動的なプレー、プレッシング、大量得点、勝利への野心で選手たちは応えた。

特筆すべきはマドリーの4点目だ。ベティスのコーナーキックで自陣にあったボールは、マドリーの6選手を経て瞬く間に相手ゴールのネットを揺らした。得点者はイスコだったが、実に半分以上の選手が1点に絡んだという事実、それをおざなりにすることはできないだろう。

そして、複数選手がスコアボードに名を連ねた陰で、際立っていたのがトニ・クロースだ。

ボール奪取、展開力、ラストパス..……。ヴァランの先制点をアシストしたのはクロースで、カリム・ベンゼマの追加点をアシストしたのも、また彼だった。フットボールには、中盤を制する者が試合を制すという格言がある。ベティス戦、マドリーの選手たちが“ドイツ製メトロノーム”によって刻まれるリズムで動いていたのは明らかだった。

クリスティアーノ・ロナウドが不調の中、マドリーを引っ張ったのはガレス・ベイル、ベンゼマ、クロースの“BBK”だった。終盤にチームの6点目を記録したC・ロナウドだが、試合を通じてみるとミスを連発していた。シュートミス、コントロールミス、フリーランニングのミス、あの得点でそれら一連のミスを帳消しにはできない。彼以外の10人は得点の呪縛に囚われたエースを援護するため、ピッチを縦横無尽に走り回っていたからだ。

エースの不調により“BBC”は破壊力を失っている。しかし、その穴を埋める存在がチーム内には確かにいる。

“BBC”から“BBK”へ――。

レアル・マドリーは悪夢のようなドロー地獄からついに抜け出し、勝ち点3を手にした。欧州で数少ない今季無敗を維持するチームとなり、その価値は高まりつつある。その中心にいたのは“C”ではなく“K”だった。エースの調子が回復するまでのしばらくの間、あるいはその先ですら、“K”が白い巨人をけん引していくことになりそうだ。

文=Alberto Piñero/アルベルト・ピニェロ