原口元気が鮮やかな先制ゴールを挙げて以降、日本代表は苦しんだ。イラクに同点ゴールを許し、勝ち越し点を決められない時間が続いた。

人間というのは弱い生き物である。「最後まで諦めない」と考える者がいる一方、さいたまスタジアムに集まった57768人の中には引き分けを覚悟した者も、少なからずいたはずだ。

しかしながら、最後に報われるのは、諦めない人間である。「最後まで諦めないことしか考えていなかった」という原口が、日本代表が戦い続けた結果、苦しい展開の中で勝ち点3を得た。

メディアから、ファンから、そして代表選手たち自身から試合内容に関する不満の声が出ることは必至の状況ではある。原口自身、試合直後に「内容はどうかと思いました」と口にしている。

もっとも、一方で、最終予選で重要なのは結果だ。

「戦術とか、きれいごとだけじゃなくて、今日は勝ち点3を取ったことがすごく重要だった。最後まで諦めないという精神的なことが大事だったと思うので、あまりネガティブにならずに、最後までチームとして勝ち点3を取りにいけたところをポジティブに考えたらいい」

内容に苦言を呈しつつ、「意外とそういうところが一番大事です」と話した原口。ヘルタ・ベルリンで好調を維持し、海外組で最も充実したシーズンを送るアタッカーは、熱さと冷静さを持ち合わせている。

「次はもっと強い相手なので、今日のようなプレーだとやられてしまうと感じています。もっと良い準備をして、もっといいプレーを一人ひとりがしないと勝てない」

結果を出したポジティブな気持ちと、満足できない内容への危機感という2つの側面と向き合いながら、それでも最後まで諦めずに勝ち点3という一番大事な結果を出した自信を胸に、原口とサムライブルーは11日に控えるオーストラリア戦へ、歩みを進めていく。