筋肉をつけたくてラグビーを始め、トップリーグまで登り詰めた屋宜ベンジャミンレイ選手。高校時代の厳しい練習に耐えたことが今の活躍とベスト体型につながっているそう。また、リフレッシュは「家族といること」というイクメンな面も発見!

―ラグビーを始めたきっかけ
筋肉をつけたいと思ったからです(笑)。小学校3年生から中学3年生までは野球をしてたんですが、ガリッガリの体で…。中学3年の終わりの時期に、体作りに興味を持ち出したんです。“男としての本能”が芽生えたのかも(笑)。それで、しばらくは自己流で筋トレをしていたんです。

高校では、野球とは違うスポーツをしたくて、最初はサッカー部に入部したんですけど、何か物足りなくて。同じグラウンドでラグビー部も練習をしていたので、気になって練習を見ることが多くなったんです。ぶつかり合いが刺激的に思えたり、先輩たちの大きい体がカッコいいと感じて、入部を決めました。ラグビーをしたら、先輩たちのように大きくてカッコいい体に近づけるんじゃないかって思いました。

―理想の体にはなれたか
今がベストだと思ってます!高校を卒業するときには60kg前後から68kgに体重が増え、大学、社会人とトレーニングを継続してきて今は78kg〜80kgになりました。この体重が自分の適正体重だと思ってるので、5、6年前からキープできるように心がけてます。ウェイトトレーニングもしますが、ポジション柄、瞬発力を高めるようなトレーニングが好きなので力を入れてます。トレーニングの内容は、高校、大学、社会人とそれぞれ違いますが、その時々で自分に合った筋トレをすれば、理想の体に近づけると思います。

高校は、沖縄県内の1、2位を争う強豪だったので練習はとにかくハードでした。その練習に耐えていたからか、周りからは「体幹が強い」と言われ始め“強い部分をもっと鍛えれば、もっと強く、上手くなれるんじゃないか”と思い、大学に入ってからは体幹を意識したトレーニングにも力を入れ始めました。

社会人になってからは、トップリーグのコンタクトプレーが激しいと感じたので、タックルを受けるなどの練習をくり返して慣れることだったり、ウェイトトレーニングや食事の質をより考えるようになりました。あとは、自分を追い込むことができること、それを継続できるメンタルが大事だと思います。

高校のときは、ラグビー部の練習に慣れるのが精一杯な時期もありました。でも、ハードな練習であればあるほど、終わったときの達成感や試合での動きなど、あとから「やってよかった」とわき上がってくるものが大きかったんです。その後、大学や今の練習に耐えられているのも、高校のときに忍耐強さがついたからだと思ってます。厳しいトレーニングを乗り越えたからこそ得るものがあるので、楽なトレーニングだったら、それなりのものしか得られないと思います。

今も、どんなにハードなトレーニングを課せられても、それが試合での勝利につながると、苦しかったことや疲れも吹っ飛びます。ファンのみなさんから「いい試合でした!また観に来ます」と言われることもやりがいにつながってます。

―チーム内でのキャラクターや役割は
チームでは副キャプテンなので、必要とされない限り僕は一歩下がってキャプテンのサポートなどをしています。あえて心掛けていることは、チームが集合して誰かが話をしても集中が欠けていたら「みんな聞こう」などと声を掛けたり。客観的にまわりを見るようにして、チームがバラバラにならないように意識はしてます。

練習中や試合中に落ち着きがない選手がいたら、「大丈夫?」と個人的に声を掛けたりもします。練習後などに後輩を誘ってごはんを食べに行ったりもたまにしています。それは副キャプテンだからというよりは、チームの一員としてという感じです。

小さい頃はシャイな性格だったんです。自分が前に出て何かをしようというタイプではなかった。前に出る人は出て、僕はあとからでいいやって感じだったので、一歩下がって見るというのは、小さい頃から自然とできていたのかもしれません。

高校からラグビーを始めたんですけど、3年生のときはキャプテンを任されました。練習前後の掛け声が主な仕事ではあったんですけど、キャプテンをした経験があるからこそ、サポートがしやすいというか、いつ必要とされてもいいようにスタンバイをしておこうかなという意識でいられるのかなと思います。

―リフレッシュ方法は
家族と過ごすことです。4歳の息子と公園で遊ぶだけでもリフレッシュになりますね。息子が寝たあとは、妻とネットの動画配信サービスを利用して面白い映画や番組を探して見てます。ふたりで映画を観ながら、ああだこうだ言ったりして楽しんでるひとときも大切な時間です。家にいるときは、ラグビーのことはなるべく考えないようにしていますが、試合などは気になって見ています。

最近は、スニーカー集めも趣味。以前は3足持っていれば十分だったんですけど、今は10足まで増えました。カッコイイものを見つけると、履きたくなるんですよね。洋服は、本当にラフなものしか着ないので、スニーカーだけはこだわってる感じ。その日の気分によって履くものを決めてます。これも気分転換になってるかもしれません。

―ラグビーをもっと楽しむための「観戦ポイント」は
ラグビーはポジションによって、体つきが全然違うので、自分の好きな体格の選手を見つけることができるはず(笑)。がっしり系、細マッチョなど、体格に関しては、他のスポーツに比べて幅広いので、ぜひ自分のベスト選手を見つけてください。

屋宜ベンジャミンレイ(やぎ・べんじゃみんれい)1988年3月5日生まれ、沖縄県出身。ポジション:ウィング(WTB)、フルバック(FB)175cm/78kg。石川高校1年生のときにラグビーを始める。その後、流通経済大学に進学。卒業後、ヤマハ発動機ジュビロ、シーサークラブを経て、2013年に現在の宗像サニックスブルースに入団。17年、副将に就任。