オバマ氏、圧勝 初の黒人大統領に<特集・米大統領選>

gooニュース2008年11月5日(水)18:50

変化か経験か。大きな政府か小さな政府か。初の黒人大統領か、最高齢の大統領か。第44代米大統領を決める選挙が11月4日(日本時間5日)行われ、民主党のバラク・オバマ候補が圧勝した。オバマ氏は、長く共和党の牙城だったバージニアやオハイオ、フロリダを押さえたのをはじめ、そのほかの民主党基盤も確実に獲得していった。国民の人権のために戦い倒れたキング牧師の「私には夢がある」演説から45年。米国の歴史で初の、黒人大統領が来年1月に誕生する。(gooニュース 加藤祐子)

<両候補のこれまでの獲得州>(複数米メディア速報による)

赤はマケイン候補が獲得した州、青はオバマ候補が獲得した州(カッコ内は各州の選挙人数)

米大統領選両候補獲得州

目標270票  オバマ 365 票マケイン 173 票

(日本時間20日午前00時現在)

CNN、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、MSNBC、ABCニュースなど複数米メディアの結果速報が一致した場合、上の地図を塗り分けていく。各州の名前の下にある数字は、割り当てられた選挙人数。州ごとに、過半数票を獲得した候補が、その州の選挙人票を全部獲得する。青く塗った州は、民主党のバラク・オバマ候補が獲得したと複数米メ ディアが速報した州。赤く塗った州は、共和党のジョン・マケイン候補が獲得したと複数米メディアが速報した州。 米大統領選は、各州に割り当てられた選挙人計538人を州ごとに奪い合い、過半数270人以上を獲得した候補が勝者となる仕組み。

CNNによると、開票率93%で、オバマ氏は得票率52%(6115万5841票)、マケイン氏は同47%(5457万6238票)。人口約2億8000万人のアメリカで、優に1億1000万人以上が投票したことになる。ワシントン・ポスト紙は、「息を呑むほどの」数の有権者が、全国で投票したと報道。同紙によると、たとえばミネソタ州では登録有権者数の実に80%が投票し、ネバダ州でも約78%が投票したという。

オバマ氏は、1964年以来民主党が勝ったことのない南部バージニア州を獲得。開票率92%で得票率51%という。首都ワシントンの都市部がバージニア北部にまで拡大し、都市住民の人口が増えたことに加え、若い有権者や黒人とヒスパニック有権者の投票率が大きく上がったことが要因とみられる。かつて奴隷制の大きな中心地だった南部州が、アフリカ人を父にもつ大統領候補を支持したことになる。

オバマ氏はさらに、長らく共和党の牙城だった北東部オハイオでも勝利。過去の共和党大統領は全て、ここで勝利している。しかしクリーブランド、コロンバス、シンシナティといった都市部を中心にオバマ氏は着実に支持を伸ばし、投票直前まで「激戦州」「(どちらに振れるか分からない)Swing State」と呼ばれていた。CNNの速報によると、開票率52%でオバマ候補の得票率は51%、マケイン候補47%。

オバマ氏のオハイオ勝利を受けて、CNNの分析担当ジョン・キング氏は、「バージニアやフロリダをマケイン候補が勝ち、さらにほかにオバマ優勢とされている州でもマケイン候補が勝ったとしても、この先、マケイン候補が必要は270票に到達するとは考えられない。というのも、カリフォルニアやオレゴン、ワシントンの各州をマケイン氏が獲得するとは、どうあっても言えないからだ」と発言。またマケイン陣営を取材するダナ・バッシュ記者も、「マケイン陣営幹部が、勝てる目算はないと認めた」と伝えていた。

オバマ氏はこのほか、東部や五大湖周辺の民主党地盤で確実に勝利するほか、東部の大票田ペンシルベニアを獲得。ペンシルベニアは、保守的な白人労働者が多い地域。予備選ではオバマ氏が苦戦し、ヒラリー・クリントン上院議員に敗北したが、本選では、経済危機に対する懸念の高まりからオバマ支持が強まった。民主党の副大統領候補ジョー・バイデン氏の出身地でもある。「オバマが弱い」とされる選挙人21人を擁する大票田だっただけに、マケイン陣営は投票直前までここで大攻勢をかけていたが、CNNによるとオバマ氏が得票率62%で、この拠点州を獲得した。

やはりマケイン氏が落とした東部ニューハンプシャーは、最初の予備選が行われる州。マケイン候補は2000年大統領選の予備選で、ジョージ・W・ブッシュ・テキサス州知事(当時)にここで大勝しており、東部における「マケイン地盤」とされていた。しかし事前予想でオバマ有利とされていた通り、オバマ氏がこれを獲得した。

オバマ氏はさらに、伝統的な民主党基盤で大票田のニューヨークで確実に勝利したほか、ウィスコンシン、ミネソタ、ミシガンなど、やはり白人労働者の多い五大湖周辺の州も獲得。民主党予備選で懸念された、「オバマは白人労働者の票をとれない」という人種的要素は、本選では作用しなかったようだ。オバマ氏の「変化」のメッセージと、金融危機の際にオバマ氏が示した冷静沈着ぶりが、多くの白人有権者を安心させたものと見られる。


    ◇ オバマ旋風に乗って、民主党が圧倒多数を獲得するか注目されていた上院選では、ノースカロライナの共和党現職ドール議員、ニューハンプシャーの同スヌヌ議員が民主党新人に議席を失うなど、共和党が大きく後退。選挙前は定数100議席のうち51議席でかろうじて多数を保っていた民主党は、56に議席を増やした。野党の議事妨害(フィリバスター)を止めさせられる圧倒多数の「60議席」には及ばなかった。

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