<横浜のココがキニナル!>

ガスタンクってコンビナートにあるイメージですが、平沼橋のガスタンクは、あんなに横浜駅のすぐ近くの街中にあって爆発しちゃったりする心配はないんでしょうか?(machiさんのキニナル)

<調査結果>

震度7に耐える地盤に立てられてる上、爆発の条件である「空気」が入ることが物理的にあり得ない構造なので、爆発しないということだった。


(※この記事は2012年2月22日に掲載したものの再掲載です)



ガスタンクの爆発はゴジラに蹴飛ばされたシーン以外あり得ない――そう思っていたらあの3.11。
千葉・市原のコスモ石油ガスタンクの爆発映像が記憶に新しい。

それだけに、あんなに横浜駅のすぐそばにあって大丈夫かと心配になる。
そこで、平沼橋のガスタンクを管理する東京ガス株式会社の平沼整圧所に取材を申し込んだ。



横須賀線の車窓から。相鉄線の上に転がって来そうな…



人里離れた地ではなく、市街地でないと意味がない



東京ガスの保有するガスタンクは、北から浦和・草加・板橋・練馬・保谷・千住・立川・世田谷・多摩・港町(千葉市)・平沼・藤沢。どこも普通に市街地に忽然とある。

ここ、平沼橋も線路のすぐ脇。横浜駅まであと一駅の場所だ。


相鉄線平沼橋を降り、屏風のようなマンションの脇を抜けると通用門


と、その前に、この球体の名称はガスの業界では「ガスホルダー」というらしい。
この球体は“留め置き”程度の役目なので「ホルダー」と称し、“タンク”と区別しているそうだ。ガス事業法という法律上も言われている通り、以下「(ガス)ホルダー」と呼ぶことに。
ちなみに“タンク”というのは貯蔵設備のこと。


中央が防災・供給部の供給設備管理センターの町田所長(中央)
社員の内田さん(左)、丸山さん(右)


「ガスホルダーは、住宅の密集している場所にないとダメなんです」と町田所長。
それは、各家庭にガスが届く仕組みを知るとわかるそうだ。

インドネシアやマレーシアで産出された天然ガスは、-147度で液化され、袖ケ浦・扇島・根岸の東京ガスの工場に直接船で運ばれる。
巨大地下タンクに貯蔵されたあと、海水で“あたためて”、再びガスを気化。

ガスは、一年中ひっきりなしにほぼ一定量作り続けられ、地下の導管で各ホルダーに送られている。
でも使う側は朝と夜に集中し、当然深夜は製造量が余る。電気と同じだ。

電気と決定的に違う点は、夜中や日中に余ったガスをホルダーに貯めておけること。
捨てずに済む分、ガス料金は安く抑えられているのだ!


平沼橋には4基。ガスタンクではなく「ガスホルダー」が本当の名前


町田所長曰く、「ピーク時は、工場でいくら作っても追いつかないほどです。そのために利用者が多い住宅街の中にガスホルダーを設置して、貯めておいたガスをすぐ供給できるようにしているんです」。
なるほど、人里離れた野原にポツンとあったのでは意味がないというわけだ。

ちなみに、ここのガスホルダーからは横浜市全戸に送られている。
そして、夜のピークが過ぎた23時頃には、ほとんど空っぽになってしまうんだそうだ。


ホルダー内のガスの量は、このパラボラアンテナで本社が遠隔操作している



地震への工夫。そして津波には…


12本の柱が、地下10〜20mまで刺さって支えている!


もともとこの辺りは埋め立てと新田開発でできた土地だが、今は地盤はしっかり改良され、硬い地盤まで深く杭が打ってあるそうだ。
千葉県浦安でも、液状化対策がされていた土地は無事だった。ここも震度7に耐えるとされている。

揺れに対して、ガスホルダーの下に2つ工夫がされている。


地震による揺れを吸収するオイルダンパー。サスペンションみたいな働き


地上のガスホルダーと、地中のガス管の揺れの周期の違いに対応する蛇腹状の収縮管


そして、地下に4mもの厚みがあるコンクリート基礎の上に乗っている。
重心がとても低いので、転がることはまず考えられない。
また、震度5強の揺れを感知すると、いっせいに緊急遮断弁が閉まりガスを遮断。
実際、阪神淡路大震災の時、同様の設計の大阪ガスのホルダーは無事だった。

津波はどうだろう。
東日本大震災の仙台市のガス局では、茶筒型のタンクは流されたそうだ。
一方、球体のガスホルダーは足元の隙間を波が通り抜け、5mの津波にも耐えた。
「丸いので抵抗も少なく、自信をもって津波に耐えられると思っている」と所長は言う。


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