中米カリブ海のハイチやキューバに壊滅的な被害をもたらした超大型ハリケーン「マシュー」、米国南東部フロリダ州に接近している。オバマ大統領は6日、フロリダ州とサウスカロライナ州に非常事態を宣言した。

 ハリケーン「マシュー」は日本時間6日午後9時現在、いったんは弱まった勢力を再び強めて、カテゴリー4となった。

 米国立ハリケーンセンターによると、中心気圧は939ヘクトパスカル、最大風速は58メートルで、暴風域を伴いながら時速20キロで、フロリダ州東部の大西洋沿岸を北西に向かって進んでいる。マシューより東の海上には、新たなハリケーン「ニコール」も発達を続けている。

 地上から400キロほど上空の軌道を周回している国際宇宙ステーションからは、ハリケーンの中心部に当たる「目」がはっきりと見えている。

 フロリダ州のリック・スコット知事は、6日「タイムアップ(時間切れ)だ。フロリダ半島に上陸すれば、竜巻や突風、豪雨に見舞われ、高波で数十万もの家屋が水に浸かり、道路や通信が分断されるおそれがある。今すぐ避難しなければならない」と訴え、「モンスター級に危険だ」と訴え、沿岸部の住民に避難命令を出した。

 オバマ大統領はフロリダ州とサウスカロライナ州に非常事態を宣言し、二つの州で合わせて200万人近い住民に避難を呼びかけた。

 米国に接近する前にハリケーンが直撃したハイチやドミニカなどカリブ諸国では少なくとも269人が死亡し、現在も146万人が避難を続けている。このうち最も甚大な被害を受けたハイチでは、260人以上の死亡が確認されており、被害はさらに増える見通しだ。

 国連人道問題調整事務所(UNOCHA)によると、2010年の巨大地震からの復興途上にあるハイチでは、被災後にコレラを発症する患者が急増し、約72万人が感染、このうち8700人以上が死亡したと考えられている。地震から5年経過した2015年の報告でも、コレラの感染は続いており、UNOCHAは「今回のハリケーンによる被害で、再び流行する可能性がある」と警戒している。