ヒップホップ歌手のZeebra(45)が13日、9月から有名私立大学の特別講師を務めることを明かした。講義は14回行われ、内容は「現代芸術」。ヒップホップの歴史から歌詞の作り方、DJの方法まで教えるという。

 小6でブレイクダンスを始め、中学時代にDJ、17歳でラップを始めたジャパニーズヒップホップの草分けは「ひとつの言葉でも、韻を踏むだけで不思議な説得力が生まれる」とその魅力を語った。大学生に対しては「言葉を日本語に伝える時のリズムにはコツがある。そこまで踏み込んで教えられたら面白い」と意欲。「僕が単位を与えるらしいんですよ」と照れ笑いを浮かべた。

 この日は東京・渋谷区立広尾中学校で、「日本語ラップ講座」の特別授業の講師として教壇に立った。中3の2クラス約60人を2コマに分けて特別授業を行った。普段の強面の印象から一転、ツイードジャケットに白セーターとかしこまった出で立ちで登壇。「音楽の授業でラップを教えるなんて、すごい時代になったなと思う」と感慨深げに切り出した。

 50分の授業では、初歩的な韻の踏み方を指導。「アマ」「鎌」「サマー」「座間」「邪魔」「弾(たま)」「浜」「ママ」「山」などの言葉を挙げ、生徒たちに文章を考えさせた。苦戦する生徒に「俺の『山』があるのは『座間』」と例を挙げた。しばらくすると、男子生徒が「『サマー』の『浜』で『ママ』は『邪魔』」と答えると、「おぉ。レベル高いね」と満足そうに笑った。

 その後、生徒に自分の名前を使って韻を踏みながら自己紹介させた。別の男子生徒が「俺の名前はダイチ。俺のライムはライク・ア・ダイチ」と発表すると、Zeebraは「いいねぇ」と褒めた上で「『俺のライミンはジューシー・ライク・ライチ』と変えると、もっとそれっぽくなる」と助言。生徒らはプロの“技”に感嘆のため息を漏らした。

 授業の後、Zeebraは「中学生は一番シャイな年頃。うまく楽しんでもらえるか不安だったけど、思っていたよりも、グイグイ来てくれた。なんとかなった」と手応え。「ラップはアカデミックな面が実はすごくあって、ちょっと考えないと出来ない。欧米では幼稚園から韻を踏むことを教わる。我々が意識してやって来たことを、学校で取り上げてもらったのは、ものすごく大きいこと」と感謝した。

 今回の授業は、「新しい形の特別授業」に意欲的な広尾中が、昨年6月に渋谷区観光大使ナイトアンバサダーに就任したZeebra側に打診して実現した。授業を見守った松田芳明校長(53)は「思いのほか、生徒はラップの奥の深さを体感したと思う。こんなに韻踏むんだとか。今回はもう1回やったら違う形で授業が展開できると思う」と満足げだった。