◆巨人4x―3中日(22日・東京ドーム)

 鋭く、大きく変化した。沢村の右腕から放たれたボールはストライクゾーンを通過し、急降下しながら小林誠のミットに収まった。「タイミングを少しは外せた気はしますが、それは打者がどう感じるかが大事。今日できても明日できなければ、それは自分の技術とは言えない」。9回2死、新球でエルナンデスを見逃し三振に斬った。満足はしていないが、手応えはあった。

 阿部から伝授された“上原フォーク”だ。今季は150キロ台の速球と、140キロ台の小さく落ちるフォークを軸に投球を組み立ててきたが、シーズン終盤になると、思うようにアウトが取れなくなった。18日の阪神戦(甲子園)が雨天中止になった際、沢村は練習中の背番号10に助言を求めた。「もっと深く握ってみれば? 上原さんは、こうやって投げていたよ」。球速を抑え、変化を大きく―。より緩急をつけるために、そうアドバイスされた。

 ブルペンで練習できたのはわずか数回。それでも迷いはなかった。「阿部さんにも言われたことですが、変わる勇気というか、思い切ってやることが大事だなと」。1点を追う9回から登板。先頭・森野の初球からいきなり投げ込んだ。全11球中5球が落ちる球だったが、全て新フォーク。3人斬りで、ギャレットのサヨナラ弾を呼んだ。

 この日の沢村には勝利がついたが、初となる最多セーブのタイトルが確定(37S)した。「自分自身にふがいなさを感じますが、タイトルに関してはチームのみなさんのおかげです。残り7試合、しっかり準備してやっていきたい」。先の戦いに向け、守護神が“進化”しつつある。(尾形 圭亮)

 ◆タイトル確定 37セーブの巨人・沢村が初の「最多セーブ」獲得を決めた。2位で34セーブの広島・中崎は残り3試合のため上回る可能性がなくなった。