スキージャンプ女子のW杯札幌大会が14日、札幌市の宮の森ジャンプ場で開幕する。13日は公式練習と予選を行った。個人総合2位のため予選を免除となった伊藤有希(22)=土屋ホーム=が公式練習1回目に100メートルの大ジャンプ。非公式ながらジャンプ台記録を0・5メートル上回った。女王・高梨沙羅(20)=クラレ=は通算50勝目へ3本のジャンプで調整。勢藤優花(19)=北海道メディカルスポーツ専門学校=は予選をトップ通過した。

 向かい風を捉え、飛距離を伸ばした。伊藤が公式練習1回目に100メートルをマークした。思わず尻もちをつき、両手が地面に触れてしまうほどの大ジャンプ。非公式だが、ジャンプ台記録を上回った。幻のバッケンレコードに「風が良かったのもあるけど、まずまずの内容」と笑顔。2回目は93・5メートル、免除となっている予選でも95・5メートルとK点越えを3本そろえ、全てで女王・高梨の飛距離(90メートル、88メートル、85メートル)を超えた。

 12日に行ったジャンプ練習は「踏み切りのタイミングが遅れて、あまり良くなかった」と振り返る。しかし、この日は助走路での滑りから見直し、一日で修正。公式練習後の記者会見では、個人総合3位につけるベテランのダニエラ・イラシュコ(オーストリア)が「今、高梨選手に勝てるのは伊藤選手だと思う」と語るほど、伊藤の調子は上がっている。

 今季は6試合を終えて個人総合2位。これまでW杯の表彰台には10度(2位6度、3位4度)上がっているが、まだ優勝したことがない。地元で初優勝を飾るべく、「常に世界で勝つことを目指している。初優勝が日本だったらうれしい」と闘志を燃やした。

 そんな伊藤の背中を心強い“アイテム”が後押しする。「一日遅れのクリスマスプレゼントでした」と伊藤。昨年12月26日、スキー部選手兼任監督の葛西紀明(44)が、自らデザインしたヘルメットを伊藤に贈った。耳元は「YUKI」の名前入り。「明日は良いジャンプを2本そろえたい」。ヘルメットに描かれた星のように、伊藤が宮の森で輝きを放つ。(相川 和寛)