◆第89回センバツ高校野球大会第2日 ▽1回戦 高岡商9―10x盛岡大付=延長10回=(20日・甲子園)

 逆転サヨナラで初戦突破だ! 4年ぶり4度目出場の盛岡大付(岩手)は、1回戦で高岡商(富山)と対戦。逆転に次ぐ逆転のシーソーゲームは延長に突入。1点を追う10回裏、無死二、三塁で2番・林一樹外野手(3年)が2点適時打を放ち、10―9で今大会初のサヨナラ劇となった。両軍合わせて27安打の熱戦で、盛岡大付の15安打、10得点は、ともにセンバツでは岩手勢最多記録。打ち出したらヒットの“おかわり”が止まらない「わんこそば打線」が、本領を発揮した。2回戦は第6日(24日)第3試合、前年優勝校・智弁学園(奈良)と激突する。

 迷わずバットを振り抜いた。1点を追う延長10回無死二、三塁。左打席に向かった林は「思い切って直球1本で待った。自分が決めるつもりでした」。2球目の真ん中低め直球を捉えると、鋭い打球が中前に抜け、ランナー2人がホームにかえってきた。逆転サヨナラで、盛岡大付は4年ぶりのセンバツ勝利。ナインは満面の笑みでベンチを飛び出し、ヒーローを祝福した。

 センバツでの2桁得点、チーム15安打はいずれも岩手勢では初。関口清治監督(39)は「本当はこういう(打撃戦の)展開にしたくなかったんだけど…」と苦笑しながらも、「林には『リラックスしていけ』とだけ声をかけた。みんな、よく粘ってくれました」と、笑顔で選手たちをたたえた。

 先輩たちの“遺産”がある。昨夏の甲子園では全3試合で2桁安打を記録するなど、計41安打28得点。ヒットの“おかわり”を積み重ねて16強に進出した。「先輩たちが打ってきたのを見て、今の子たちにも『打ち合いなら負けない』という自信がある」と指揮官。強打の伝統があるからこそ、終盤にリードを許しても、「わんこそば打線」の代名詞であるフルスイングを貫けた。聖地での連続2桁安打は4試合に伸びた。

 昨秋の公式戦ではチーム打率3割3分7厘を記録。だが、東北大会決勝では仙台育英(宮城)に2―6で完敗した。チーム計5安打に封じられ、「自分たちに先輩たちほどの能力はない」と林は力不足を痛感した。冬場は、長靴を履いて毎日3時間の雪上での打撃練習を行い、その後、さらに約2時間、納得のいくまでバットを振った。その結果、「逆方向にも強い打球がいくようになった」という。大舞台で5打数2安打3打点の活躍に「誰にも負けないくらい練習してきた」と、大きく胸を張った。

 2回戦の相手は昨年のセンバツ王者・智弁学園。4打数4安打と大当たりだった主将の4番・比嘉賢伸遊撃手(3年)は「打つしかない。守備も含めて、試合までにしっかり詰めていきたい」と力を込めた。勝てば、同校初となる甲子園での8強入りが決まる一戦。先輩たちを超えるため、まだまだヒットの“おかわり”を重ねる。(守田 力)

 ◆記録メモ センバツで、これまでの岩手勢のチーム最多安打は11本。1984年の2回戦で大船渡(8〇1・日大三島)、2013年の2回戦で盛岡大付(4〇3・安田学園)が記録。また、盛岡大付は昨夏の甲子園で2勝しており夏、春の甲子園で、連続で勝利を挙げたのは県勢初。