時刻表に記載された運行予定時刻や停車駅の盲点を突いてアリバイ工作をする犯人。トリックの謎解きのため推理を巡らす刑事…。鉄道を舞台にしたサスペンスドラマでよくある設定だ。その前提は、日本が世界に誇るとされる鉄道の定時運行だろう。列車が定刻から遅れてしまってはドラマのストーリーが成り立たない▼書店で2冊の「時刻表」が目に留まった。「交通公社の時刻表復刻版」の1987年3月号と翌4月号だ。3月号は「国鉄監修」の最後。翌4月号にはJR発足時のダイヤが載っている▼国鉄が分割・民営化し、JR7社が発足したのは87年4月1日。「水戸駅上り五番線ホームでは午前七時半から、新会社として最初の水戸始発となる上野行き特急ひたち4号の出発セレモニーが行われた」。JR発足翌日付の本紙1面は水戸駅の様子を伝えている▼国鉄民営化から間もなく30年。2015年3月14日の「上野東京ライン」開業により、上野止まりだった常磐線が品川まで乗り入れた▼沿線や駅の環境や風景は時代とともに変わってきた。しかし生活や観光の足としての鉄道の役割は不変だ▼東京都心では桜が開花した。旅情をかきたてられる鉄道の旅を楽しむのにいい時季となった。(柴)