ひたちなか市内を走るひたちなか海浜鉄道湊線を愛するアマチュアカメラマンたちが2010年から6年間、日の出時に鉄路を行く列車の写真をほぼ毎日撮影し、会員制交流サイト(SNS)に投稿している。悪天候でも欠かさず、雨や雪ならではの味わいを撮影。湊線に魅せられた写真愛好家はきょうも、シャッターを切り続けている。
 周囲がまだ暗い朝6時前。同市三反田の同線中根駅近くの田園地帯に、愛用のカメラを手にした男性4人が集合した。昨年12月下旬。気温は氷点下だ。集まったのは沿線の活性化に取り組む「おらが湊鐵道応援団」写真班のメンバー。いずれも市内に住む写真愛好家だ。
 「3、2、1…」。東の空に上がった太陽を背に列車が近づき、車両に太陽光が反射して光った瞬間を狙って一斉にシャッターを切る。写真はその日のうちに、解説を添えて同応援団のフェイスブックに投稿された。
 メンバーの船越知弘さん(50)が撮影と投稿を主に担う。船越さんは仕事の都合で青森県から同市内に移り住み、現在は同線阿字ケ浦駅の近くで暮らす。07年から湊線をファインダー越しに追い続ける。
 同応援団の写真班は湊線と沿線の魅力を伝えるため、10年夏からフェイスブックへの写真投稿を始めた。廃線の危機を乗り越え、第三セクターとして08年に再出発した同線をもり立てるのが狙いだ。船越さんを中心に、写真班メンバーは毎朝、場所を変えながら、列車や駅などを撮影する。
 「毎日撮っても、飽きない」。船越さんは湊線と沿線の魅力について、「高い建物がなく、地平線まで見渡せて『空が広い』」と表現する。撮影は出勤前の日課になっている。
 列車が満開の桜を横切ったり、水田に映ったりするなど、鉄道と沿線のさまざまな風景を切り取る。夕暮れ時や満月の夜に撮影する場合もある。
 「もっと湊線の良さを知ってもらい、古里の自慢にしてもらえるようにしたい」。船越さんは力を込める。 (斉藤明成)