【伊賀】無許可で森林開発をしていたとして、県が伊賀市内でメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設を進める事業者に開発を中止するよう指導していたことが十三日、関係者への取材で分かった。現場付近の市道は昨年九月に発生した隆起によって片側通行となっており、県は「森林開発と隆起に因果関係がある」として事業者に対策も求めている。事業者側は「開発に違法性はないと考えているが、事業を進めるために許可を取得したい。市道も早期に復旧させたい」としている。  県などによると、現場は同市喰代の市道喰代比自岐下川原線。「伊賀コリドールロード」と呼ばれている。昨年九月二十八日、長さ約十メートルにわたって路面が十五センチほど隆起しているのが見つかり、市は安全を考慮して市道を片側交互通行にしている。  隆起の原因は特定できていないが、山側で発生した地滑りが路面を押し上げたとみられる。市道に隣接する山林では岐阜県瑞穂市内の事業者が昨春ごろからメガソーラーを建設するため、伐採などの工事に着手。昨年二月には、市に伐採の届け出を提出していた。  県は隆起をきっかけに現地を測量し、事業者が許可を申請せずに二・三ヘクタールを開発したと認定。森林で一ヘクタールを超える開発をする場合には都道府県知事の許可を義務付ける森林法に違反しているとし、開発の中止や隆起への対応を求める文書を昨年十月に事業者に送付した。  事業者は県に「開発した面積は一ヘクタール以下で、森林法には抵触しない」と主張しており、違法性を巡る主張は平行線をたどっている。この事業者は山側の土砂が市道に流れ込まないようにするなどの暫定的な対応を取ったが、両車線が復旧するめどは立っていない。  県治山林道課は「開発の実態に基づいて森林法に抵触していると判断した。事業者は地滑りの対策を講じるか、開発を中止して元に戻すなどの対応を取る必要がある」と説明。「現状を放置するなら、刑事告発も含めて対応を検討するしかない」としている。  同社の委託で工事を手掛ける大阪府内の事業者は「設計業者の積算を元に許可を得る必要はないと判断したため違法性はないが、事業を進めるために許可を取得したい」と説明。通行規制中の市道は「地滑りの原因を調べている。早期に復旧させたい」としている。