岩泉町岩泉の泉金酒造(八重樫義一郎社長、従業員5人)は、台風10号の影響で閉鎖している同町の国指定天然記念物龍泉洞で熟成させた純米吟醸酒「秋あがり」を近く発売する。地底湖の増水による被害を免れ、搬出路も無事だったため販売が実現。昨年、発売から1カ月たたずに売り切れた人気の酒を待ち望むファンの期待に応えつつ、復興に向かう同町の活力を発信する。  秋あがりは龍泉洞の水で仕込んだ純米吟醸酒を龍泉洞で熟成させるプロジェクトとして昨年始動。2年目の今年は洞のトンネル出入り口から230メートルほど入ったセラーに瓶詰めした1・8リットル入り600本、720ミリリットル入り千本を5月14日から貯蔵していた。  だが、龍泉洞は台風10号で地下水が流入し、地底湖が増水。通路の冠水や照明の破損など大きな被害を受け、現在も営業再開のめどが立っていない。  セラーが第3地底湖の上部約15メートルに設けられていたため「不安だったが流失などの心配はなかった」と八重樫社長(60)。それでも無事を確認して搬出できたのは、当初の発売予定日の16日。従業員が被災するなど人員不足もあり、まずは貯蔵していた半数を運び出し、20日から盛岡市の酒販店などに発送している。