手術などを終えて病状が安定した患者の在宅復帰を支援する「地域包括ケア病床」が県内で増えている。東北厚生局によると1日現在で県内6市町の10病院が開設し、県立千厩病院が10月にも導入する見込み。最長60日の入院期間で、リハビリや治療に専念できるのが特徴だ。急性期病床の充実に対し回復期病床が不足する中、高齢者が住み慣れた自宅や入所施設に安心して戻るための受け皿として期待されている。  県立東和病院(花巻市)は5月から一般病床10床を地域包括ケア病床に転換した。「いくらか歩けるようになった。元気になったら家で農業をしたい」。ベッド上で花巻市東和町の女性(92)は笑顔を見せた。女性は自宅で転倒し、大腿(だいたい)骨を骨折。県立中部病院(北上市)で手術を受けた後、東和病院の地域包括ケア病床に移った。理学療法士らのサポートを受け歩行訓練など在宅復帰に向けたリハビリを続ける。  国は増大する医療費を抑えようと、入院が長期間になると診療報酬が低くなる仕組みとし、早めの退院を病院に促してきた。一方、地域包括ケア病床は最長入院期間を60日とし、患者が安心して在宅復帰できるよう2014年度に制度を見直した。  東北厚生局によると、県内では川久保病院、国立病院機構盛岡病院、盛岡市立病院、中津川病院、盛岡友愛病院(盛岡市)、南昌病院(矢巾町)、一関病院(一関市)、奥州病院(奥州市)、県立大船渡病院(大船渡市)、県立東和病院(花巻市)の10病院が計334床を設置している。