産後直後に起きる出血として、出産時に剥がれた子宮内膜や産道の分泌物による悪露がありますが、あまりに長く鮮血が出続ける場合などは不正出血の可能性があるため注意が必要です。今回は産後に起きる出血の原因について解説します。

産後直後に起きる悪露

悪露(おろ)は産後約1カ月の間続く子宮からの出血で、出産によって剥がれ落ちた子宮内膜のかけらや胎盤があった場所、産道の傷跡からの分泌物のことをいいます。出産直後から産後約3日目までは量も多く、鮮血が出ますが、徐々に量は減り、色も茶褐色〜淡い黄色〜白色〜透明へ段々と変化していきます。

産後に起こり得るさまざまな不正出血

(1)弛緩出血
産後、収縮するはずの子宮が十分に収縮せず、胎盤が剥がれ落ちた部分にある血管がふさがらず、出血してしまうことを弛緩出血(しかんしゅっけつ)といいます。弛緩出血は放置すると大量出血によるショック死も考えられるため注意が必要です。

(2)胎盤遺残
胎盤遺残(たいばんいざん)は子宮内に排出されるはずの胎盤が残ってしまう病気のことをいいます。特徴として突然起こる出血や塊上の悪露として出血することなどが挙げられ、そのままにしておくと大量出血によるショック死の可能性が高まります。

(3)胎盤ポリープ
胎盤などの妊娠によってできた組織の一部が子宮内に残ってしまい、ここに小さな血管が伸び、こぶ状になってしまったものを胎盤ポリープといいます。放っておくと小さな血管がたくさん伸び、大量出血によるショック死を引き起こしてしまう可能性もあります。

(4)子宮内感染症
出産中は妊娠前に比べ、免疫力が低下しています。このとき出産でできた傷から細菌が侵入し、子宮内で感染症を起こしてしまう病気を子宮内感染症といいます。子宮内感染症を発症している場合、悪露に悪臭がある場合が多く、このときの悪露は鮮血で、腹痛や38度以上の高熱、腰痛を伴う場合もあります。

(5)子宮復古不全
子宮復古不全(しきゅうふっこふぜん)は何らかの原因で子宮収縮がうまくいかず、子宮が正常な大きさや硬さに戻らない状態です。子宮復古不全になると2週間以上鮮血が出続ける特徴があるほか、細菌感染のリスクが高いため、発熱や子宮の痛みなどの症状が現れる場合も考えられます。

生理の可能性もある

妊娠、出産するために変化した身体が、再び妊娠できるほど回復すると体内では再び排卵が起き、生理が再開します。回復のスピードには個人差があり、母乳育児をしていない場合は産後2、3カ月程度、母乳育児をしている場合は、卒乳後1カ月程度で生理が再開しますが、母乳育児をしていても産後1カ月で生理が再開したという人もいます。

生理であれば、数日で出血は止まるため、1週間以上止まらない場合は病気による不正出血の可能性が考えられます。また、発熱や体の痛み、だるさを伴う場合は細菌感染の可能性もあるため、体調不良が続く場合は、かかりつけの医師に相談してみましょう。