諏訪マタニティークリニック

長野県にある諏訪マタニティークリニックの根津八紘院長は、夫の父から精子提供を受けて体外受精を行ったケースで、過去20年間に173人の子どもが生まれたと、17日の信州産婦人科連合会学術講演会で発表しました。

体外受精を行った夫婦は114組。複数回出産した夫婦もいました。すべてのケースにおいて、無精子症など夫側に原因のある不妊夫婦を対象としています。

日本産科婦人科学会の方針

日本産科婦人科学会(日産婦)は、匿名の第三者から精子提供を受けて実施される体外受精のみを認めていますが、それ以外のケースについては言及していません。

ただ血縁者からの精子提供については、家族関係が複雑になり、その中で生まれる子どもの負担が重くなるという意見もあり、日産婦では当面認めないという方針です。

根津八紘院長

同クリニックの根津院長は1996年に国内初の代理母出産を行い、それを98年に公表しました。その結果、日産婦から一時期の間ですが除名処分を受けていました。

院長は、体外受精による出産の他、双子以上の多胎妊娠をした女性の胎児数を減らす減胎手術の実施など、法整備が遅れ、学会においても明確な指針が定められていないケースにおいても、患者本位の先駆的な医療活動を続けています。

患者の強い希望

日本において体外受精による出生数は増加しています。日産婦の集計によると、2014年には4万7322人の子どもが、体外受精により生まれています。約21人に1人の割合でした。

これほど体外受精が一般的になった現代の日本で、個々の体外受精について、その実施の在り方や、その後の子どもの戸籍・相続などの法整備が進んでおらず、学会としても統一的な見解や指針が不充分というのは驚くべき事です。

何か事が持ち上がる度に賛否両論を繰り返すのではなく、子どもを望みながら体外受精しか方法がない夫婦をどのようにサポートし、生まれてくる子どもも含めて社会に受け入れていくのかを真剣に議論するときが来ているのではないでしょうか。

参考サイト

諏訪マタニティークリニック ホームページ