イギリスの研究チームにより、葉酸が神経管閉鎖障害の発症を軽減する効果があることが証明されてから、妊娠初期の積極的な摂取が推奨されています。今回は厚生労働省による妊娠初期の葉酸の推奨摂取量と、その内訳について解説します。

葉酸の概要と妊娠初期に摂ることで得られる効果

葉酸はDNAやRNAの合成に関わり、細胞分裂を活性化させる、赤血球の細胞を生成するなどの働きがある栄養素です。ビタミンB群の一種であり、1944年ほうれん草の葉から検出されたためその名が付きました。生命維持に欠かせない栄養素の一つであり、妊娠初期の積極的な摂取が推奨されています。妊娠初期に葉酸を摂取することで得られる効果は以下の通りです。

◆胎児における神経管閉鎖障害の発症リスクを減らす
◆流産、死産のリスクを軽減する
◆悪性貧血を予防する
◆免疫機能や消化管機能を健康的に保つ
◆動脈硬化を予防する

妊娠初期における葉酸の推奨摂取量

厚生労働省が発表している食事摂取基準では成人女性の場合、1日に必要な葉酸は240μgです。しかし、妊娠すると体内や胎児の発育に大量の葉酸が使われるため、そうでない場合の倍の量となる480μgの葉酸の摂取が推奨されています。

また、妊娠の1カ月前から妊娠3カ月までの妊娠初期の間は胎児の神経管閉鎖障害の症状が現れるリスクを減らす目的で400μgの葉酸をサプリメントや強化食品などから付加的に摂取することが推奨されています。妊娠期間中に必要な葉酸は1日当たり480μgですが、妊娠3カ月までの間は1日当たり640μgの葉酸摂取が必要になり、そのうち400μgはサプリメントからの摂取が推奨されています。

葉酸を多く含む食品

妊娠初期はサプリメントなどの補助食品と食事の両面から葉酸の積極的な摂取が必要になります。葉酸を多く含む食品は以下の通りです。

◆レバー
◆うなぎの肝
◆うに
◆枝豆
◆モロヘイヤ
◆芽キャベツ
◆ほうれん草
◆あさつき
◆菜の花
◆アスパラガス
◆卵黄

葉酸は水溶性ビタミンであり、熱に弱く水に溶けやすい性質があります。また、食品から摂取した葉酸の生体利用率は約50%です。サプリメントと比べると効率良く葉酸を摂取することができないため、加熱調理が必要な食品については長時間火にかけない、蒸し料理にする、茹でる場合は茹で汁ごと摂取するなどの工夫が必要です。

妊娠初期に必要な葉酸の摂取量は、その他の時期に比べ特に多く摂取することが推奨されています。サプリメントと食品から効率良く摂取しましょう。