葉酸は、妊娠初期の胎児の発育異常を防ぐことが期待されています。では、葉酸が必要なのは妊娠初期だけなのでしょうか?実は、葉酸は妊娠中期にも摂取した方が良いといわれています。今回は妊娠中期における葉酸の必要性と、その効果について解説します。

妊娠初期に特に必要な葉酸

葉酸は、水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種です。そのはたらきは、DNAの生成や細胞分裂を助けることなどで、赤血球や細胞を作る際に欠かせない成分です。葉酸が不足すると、悪性貧血や肌荒れ、口内炎を起こしやすくなります。また、葉酸は胎児が発育するうえで、とても重要な栄養素の一つです。

妊娠初期は、胎児の脳や脊髄など重要な部位が形成される時期でもあります。もしこの時期に葉酸が不足すると、胎児に神経管閉鎖障害という先天異常のリスクが高くなりやすいといわれています。そのため厚生労働省は、妊娠の1カ月以上前から妊娠初期にあたる妊娠3カ月までの期間は、普段の1.5〜2倍の葉酸の摂取を推奨しています。

葉酸は妊娠中期にも摂取が必要?

このように妊娠初期は葉酸の摂取が必要と言われていますが、妊娠中期はどうでしょうか。

妊娠中期は妊娠5カ月から7カ月のことで、胎盤が完成して流産の可能性も少なくなる「安定期」と呼ばれる時期を指します。厚生労働省は妊娠中期の葉酸摂取については言及していませんが、妊娠中期も胎児が細胞分裂を盛んに行って成長していく時期であるため、普段より多めの葉酸を摂ることが求められます。

妊娠中期の葉酸の効果とは

葉酸は赤血球を作り出すうえで不可欠な成分の一つです。しかし、妊娠中は葉酸が胎児の細胞分裂にも利用されるため、赤血球の生産量が減少しがちになります。また、赤血球は身体中に酸素や栄養を送り届ける働きがありますが、妊娠中は胎児にも酸素や栄養分を届ける必要があるため、母体の赤血球が減少する傾向があります。

これらのことから母体に酸素が上手く運ばれなくなり、妊娠中は悪性貧血を起こしやすくなります。このような貧血は妊娠初期よりも妊娠中期以降に起こりやすいため、妊娠中期になっても葉酸を積極的に摂取すると良いでしょう。

妊娠中の貧血は、胎児に影響を及ぼすこともあります。貧血によって胎児に酸素や栄養が充分に届かなくなると、胎児の成長が遅れて低体重になったり虚弱体質の赤ちゃんが生まれてくることもあります。これを防ぐためにも、葉酸をしっかりと摂ることをおすすめします。

妊娠初期には胎児の先天異常を防ぐために葉酸を摂取することが重要ですが、それ以降も母体と胎児の貧血を防ぐために必要です。妊娠中期になっても、葉酸を意識的に摂取しましょう。