葉酸は胎児の先天異常を防ぐためにとても重要な栄養素であり、妊娠初期には通常よりも多く葉酸を摂取することが推奨されています。では、妊娠中期には葉酸は必要ないのでしょうか。今回は、妊娠中期の胎児の発育のために葉酸が果たす役割について解説します。

葉酸の働き

葉酸はビタミンB群の一種で、細胞の分裂と成熟、赤血球の生成の際に必要な成分です。成人男女の場合、1日あたり240μgの葉酸が必要であり、欠乏すると肌荒れや悪性貧血になりやすくなります。

葉酸の摂取は、妊娠中は特に重要とされています。その理由は、妊娠中の葉酸の欠乏は胎児の発育を妨げ、神経管閉鎖障害などの脳や脊髄の先天異常を引き起こす可能性があるからです。先天異常の多くは妊娠初期に多く発生することがわかっており、厚生労働省は妊娠の1カ月以上前から妊娠3カ月までの間は食事だけでなくサプリメントを利用して葉酸を通常よりも多く摂取することを推奨しています。

妊娠中期以降も胎児の成長には葉酸が不可欠

以上のように、妊娠初期は葉酸を摂ることが重要です。では、妊娠5カ月からの妊娠中期と呼ばれる時期は、葉酸は必要ないのでしょうか。

実は、妊娠中期にも葉酸は胎児の発育に必要です。葉酸は細胞の分裂や成熟に必要な栄養素の一つであるためです。脳や脊髄は妊娠初期に形成されますが、その後も胎児は細胞分裂を盛んに行って身体を形成していくため、葉酸が不足しないようにすることが重要です。

妊娠中は自分の身体だけでなく、赤ちゃんの身体にも酸素や栄養を届ける必要があります。酸素や栄養を体中に届ける役割を持っているのは血液中の赤血球ですが、この赤血球の生成にも葉酸が使われます。葉酸が足りないと赤血球が充分に作られず貧血になり、胎児に酸素や栄養分行き届かなくなります。すると、赤ちゃんの発育が遅れ、低体重や虚弱体質に繋がることもあります。これを防ぐためにも、妊娠中期も葉酸を積極的に摂取しましょう。

妊娠中期はどのくらいの葉酸が必要?

それでは、妊娠中期は胎児の発育のためにどのくらいの葉酸を摂ると良いでしょうか。妊娠中期は、1日あたり480μg程度の葉酸を摂取すると良いといわれています。しかし、食事でこれだけの量の葉酸を摂るのはなかなか難しいです。その場合は、サプリメントを利用するのもおすすめです。サプリメントの葉酸は食品中の葉酸よりも吸収率が高いため、サプリメントで葉酸を摂取する場合は1日に240μgを目安にしましょう。

葉酸は、胎児の細胞分裂や胎児に酸素や栄養分を送り届ける赤血球の生成に欠かせない成分です。胎児の健全な発育のために、妊娠中期以降も食事やサプリメントなどから葉酸をしっかりと摂りましょう。