妊娠初期に起こりやすい胎児の先天異常を防ぐために摂取を推奨されている葉酸。妊娠初期は葉酸をしっかりと摂っていても、妊娠中期以降はもう葉酸は必要ないと思っていませんか?今回は、妊娠中期以降の各時期の葉酸の働きについて説明します。

葉酸とは

葉酸とはビタミンB群の一種です。その主な働きは、細胞の分裂や成熟、赤血球の形成などです。特に妊娠初期は胎児の脳や脊髄などの重要な部分が形成される時期であり、この時期に葉酸が不足すると胎児に無脳症や二分脊椎のように、脳や脊髄の先天異常が起こるリスクが高まることがわかっています。そのため、妊娠初期にはサプリメントなどから葉酸を摂取することが厚生労働省から推奨されています。

妊娠中期の葉酸の働き

葉酸が胎児にとって必要なのは妊娠初期だけではありません。妊娠中期も胎児は細胞分裂を盛んに行って身体を形成していきます。そのため、細胞分裂に必要な葉酸をしっかりと摂る必要があります。

また、妊娠中は母体だけでなく胎児の身体にも酸素や栄養分を届ける必要があるため、通常より多くの赤血球が必要となります。妊娠中は赤血球が非妊娠時の20%増しと言われているため、妊婦は貧血を起こしやすくなります。しかも、このような貧血は妊娠初期よりも妊娠中期以降のほうが起こりやすいといわれています。妊婦の貧血は胎児に酸素などを届けることを妨げてしまうため、赤ちゃんの発育にも影響を及ぼします。そのため、赤血球を作り貧血を防ぐ作用のある鉄や葉酸を摂る必要があります。

妊娠後期の葉酸の働き

妊娠後期も、妊娠中期から引き続き、胎児の細胞分裂がきちんと行われるようにし、母体と胎児の貧血を防止するために葉酸が必要です。

それに加え、妊娠後期の葉酸は妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の防止にも役立っています。妊娠高血圧症候群には次のような症状があります。
□高血圧
□尿にタンパク質が出る
□むくみ

妊娠高血圧症候群になると、赤ちゃんが低体重で生まれてくることや、常位胎盤早期剥離によって早産や死産になることもあるため注意が必要です。このような事態を防ぐためにも妊娠後期の葉酸は重要です。

産後も葉酸を摂りましょう

そして、出産を終えた後も葉酸は重要な役割を持っています。葉酸は、産後に乱れた母体のホルモンを整える働きがあります。そのため、葉酸には
□産後うつ
□むくみ
□抜け毛
などのホルモンバランスの乱れによって起こる症状を軽減させる効果が期待できます。

母乳で育児をする場合は、赤ちゃんに栄養分を与えるため母体の葉酸は不足しがちになります。すると、貧血を起こす可能性が高くなります。また、赤ちゃんを育てるための母乳は血液から作られるため、質の良い母乳を作るためにも葉酸は必要です。

以上のように、葉酸は妊娠初期だけでなく妊娠中期以降から出産を終えた後まで必要になります。赤ちゃんの健やかな発育と母体の健康のために、体内の葉酸が不足しないよう通常よりも多めに摂取するようにしましょう。