ビタミンB群の一種であり、妊婦さんの必須栄養素としても知られている葉酸ですが、葉酸サプリと小児喘息のリスクの関係性を指摘した研究があります。今回は、妊娠後期に葉酸サプリを飲むと小児喘息のリスクが高まるといわれる理由について解説します。

妊婦の必須栄養素である葉酸

葉酸はビタミンB群の一種であり、水に溶けやすい性質を持つ栄養素です。1944年、ほうれん草の葉から発見されたことからその名が付きましたが、葉物野菜の他、レバーなどの動物性食品にも多く含まれています。

核酸や赤血球の生成を助ける作用がある葉酸は血液量を増やし、動脈硬化を予防する効果が期待できます。また、胎児における神経管閉鎖障害の発症リスクを軽減し、胎児の健やかな生育を促す効果に注目が集まり、厚生労働省では2000年から妊娠を希望する女性や妊娠している女性に対し1日に400μgの葉酸サプリメントの摂取を推奨しています。

妊娠後期に葉酸サプリを飲むことで小児喘息のリスクが高まる?

厚生労働省では特に妊娠前から妊娠初期までの期間で葉酸を積極的に摂取するよう呼び掛けていますが、授乳期間中まで飲み続けることで胎児の貧血を予防する、早産や流産のリスクを軽減する、産後の回復をサポートする、母乳の質を高めるなどの効果を得られます。

しかし、一方で妊娠8カ月以降の妊娠後期に摂取することで、胎児が出生した後、3〜5歳の間に小児喘息にかかるリスクが高まると指摘する人もいます。これはどういうことなのでしょう。

妊娠後期における葉酸摂取と小児喘息の発症リスクとの関係性を指摘したのはオーストラリアの研究機関です。その内容は妊娠後期に1日1000μg以上の合成葉酸サプリメントを摂取し続けた母親を持つ子どものうち、約11.6〜11.8%が小児喘息を発症したというものです。

過剰摂取しなければ特に問題はない

日本の摂取量の目安は、妊娠期間中特に多い摂取が推奨されている妊娠初期でも1日400μgであることから、異常量の葉酸を摂取した場合に起こるケースを指摘していることが分かります。また、この結果に確実性がないと指摘する研究者もいるため、日本では基準摂取量を目安に食事と合わせ1000μg未満に収まるよう葉酸サプリメントを摂取する分には特に問題がないと考えられています。

葉酸は胎児の発育を促し、流産などのリスクを軽減する働きがあるため、妊娠中には必要な成分です。過剰摂取は小児喘息のリスクが高まる可能性があるだけでなく、葉酸過敏症などを発症する危険性もあります。正常の範囲内で摂取するよう心がけましょう。