妊娠後期における葉酸サプリの過剰摂取は胎児の小児喘息の発症リスクを高める可能性が指摘されているなど、健康に影響を及ぼす恐れがあるため注意が必要です。今回は、注意したい葉酸サプリの過剰摂取について解説します。

過剰摂取に注意したい葉酸

葉酸はビタミンB群の一種です。ビタミンには水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがあり、それぞれ以下の特徴があります。

◆水溶性ビタミン・・・水に溶けやすく過剰摂取しても尿に混じり体外へ排出されます。そのため過剰摂取による悪影響はほぼないと考えられています。

◆脂溶性ビタミン・・・油脂に溶けやすい性質を持つビタミンです。脂肪細胞に蓄積されやすいため、過剰摂取には注意が必要です。

葉酸は水溶性ビタミンであるため、食品から摂取する場合は大量摂取により健康に悪影響を与える可能性はほぼないとされています。しかし、妊娠中などサプリメントから摂取する場合は過剰摂取により食欲不振、吐き気、不眠症、むくみ、かゆみ、呼吸障害などの副作用を引き起こすリスクがあるため注意が必要です。上限量の目安は以下の通りです。

◆20代・・・900μg
◆30代・・・1,000μg

ビタミンB12欠乏症の診断を困難にすることも

葉酸はビタミンB12と共に赤血球の生成を助ける作用があります。この2つの栄養素が不足すると悪性貧血の巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)を引き起こすリスクがあるため注意が必要です。さらにビタミンB12が不足すると貧血に加え末梢神経障害、脊髄障害、認知障害などが起こる場合があります。しかし、葉酸を必要以上に摂取してしまうと、ビタミンB12欠乏症の診断を困難にし、発見を遅らせてしまう危険性があります。ビタミンB12の発見が遅れると神経障害が悪化するため、注意が必要です。

妊娠後期の過剰摂取は胎児に悪影響を及ぼす可能性も

オーストラリアの研究チームが発表した論文により、妊娠後期の過剰摂取により、胎児の小児喘息の発症リスクを高める可能性があることが指摘されました。これは合成の葉酸サプリを1日1,000μg以上摂取し続けた場合、胎児の小児喘息の発症リスクがそうでない場合に比べ約25%高まることが分かりました。

しかし、この研究については結果に確実性があると断言できないという研究者がいることもあり、関連性を指摘するに留まっています。厚生労働省が推奨している妊娠後期における葉酸サプリの1日の摂取量目安は240μgです。この推奨摂取量を目安にしていれば、問題ないでしょう。

葉酸はDNAの生成に関わるなど、生命維持に欠かせない栄養素です。摂取量を守り正しく摂取しましょう。